木澤さんを偲ぶ会

微妙な、色合い

会場の木澤さんの写真は、正面ステージにあった方が、俺の中の彼のイメージらしい笑顔だった。一方ステージに向かって、これとは別に祭壇を設けてあったが、こちらの写真は、ちょっと違和感。それにしても俺はまだ、この重すぎる事実を受け止めきれていない。どこかのアカペラ・イベントで、ひょっこりと姿を現しそうな気がしている。今日は、残された我々の側が、その気持ちに区切りをつけるための集まりでもあったはずだが。
他のアカペラバンドの演奏を心から楽しむのも何だか後ろめたく、かといって酒を片手に他の席の間を回るというのもためらわれ、なんともスワりのわるい気分のまま、自分のバンドのテーブルを離れられないでいた。
妹さんが謝辞を述べられる段階で、ようやくはっきりと涙した。
一日仕事で集まったのにたった一曲歌っただけというのも、なんだか歌い足らない感じだけが残り、同じような気分だったのか数人で、カラオケへ。この前行ったのは、いつだっけ。
カラオケって実はあまり好きではないんだな。
もともと歌っている人間だから、というわけでもないだろうが、ひとりだけ生真面目、仕事モードになってしまう。芸に幅がないのがバレバレだ。
コミックソングが歌えるわけでも、咄嗟に替え歌が出るわけでもないし。
相変わらず、会話がはずむわけでもないカラオケに終始してしまった(実は歌っている本人だけは、気分がいいという、タチの悪さ>ホントに嫌いなのか?)・・・。
帰宅が比較的早かったので(ったって、休日なはずなんだが)、自室に展開したファイル・・・じゃない、キーボードを少し叩く。今朝、渋谷のYAMAHAで入手した市販譜の、内容確認。
普段の練習が、会議室に有休中のグランドピアノ、という贅沢な環境なので、キーボード独特のタッチになれるだけで時間がかかる。指先のニュアンスにピアノのような反応はしてくれない、という当たり前なことを、弾く側がカラダにインプットする手順が必要。その上でキレイに音を鳴らそうとすると、どうやらピアノでいうスタッカート奏法になっていることに気付いた。鍵を叩くのではなく、引き上げる感じ。これは全く逆の筋の使い方で、なんだかすっごく肩がこった。