船橋・さくら橋。

昨夜のニュースではまだ、ワンチャン行けそうな感じだ桜。
明日はまだ暑さに慣れてない身体で出歩くのはためらわれるほどの酷暑だそうなので、今日実行。
そんな明日に備えて一応、エアコンの試運転を済ませておく。
11時丁度に部屋を出ると、以前から地域のポスターでお見かけして気になっていた海老川・桜橋へ。

えび。

JR船橋駅北口を出て、ヨーカドー脇の表通りを渡ってサンホテル前の道を東進、海老川に突き当たったところが太郎橋。
橋の四隅に設けられた像が楽しい。
「金太郎」、「浦島太郎」、「桃太郎」と、それ以外にも並み居る有名どころ「太郎」さんを押しのけてなぜか「ものぐさ太郎」。

ここで今日唯一目についた案内看板によると、太郎橋の少し先で左に別れていく水路が長津川で、長津川親水公園まで繋がっているらしいが距離感わからん。

というのも、今日の俺は地図を持参するのを忘れてしまったからで。
昨日GoogleMap上で入念に「リハーサル」しといてよかった。

きれいに整備された遊歩道の右岸を遡上。
満開の桜が視界を覆っていなければ、単にごちゃごちゃしているようにしか見えなかったであろう船橋中央卸売り市場界隈。
関連業者の建物が周辺に集まってて、倉庫街とあまり変わらない景色が続く。
「川の水がもう少しきれいだったら…」
誰かが通りがかりに呟く声が聞こえた。


要所要所に何やら正体不明の(?)コミカルな銅像がいくつか(「ほていあおいの命」像、「手長海老寿老人」像とか)設置されているのも楽しい散歩。

「手長海老寿老人」

市場通りが海老川を渡る、欄干に女性のブロンズ像が設置されている富士見橋を越えると、川の左右歩道は徐々に水面近くまで下がってきて、童謡に歌われる「春の小川」のような風情になってくる。
「在日大韓基督教会」の前は何やら記念碑があったり、「海老川広場」と呼ばれる場所になっていて多くの親子連れが遊んでいる。
巨大な石像が何体も並んで置かれてて、いずれもコミカルな表情だった。

ほどなく「さくら橋」に到着。
橋梁自体は何の変哲もない、(太郎橋や富士見橋と比べると)味気ないくらいのコンクリート橋で、住民有志によって架けられたというような石碑が添えられてあった。

橋の上から川上への眺めが、よくポスター等で使われている画らしい。
なるほど東葉高速線が走る左手側が、この先鷹匠橋まで広大な墓地になっていて、桜の木を超える高さの建物が一切見えないようになっているらしい。

なぜかここへ来て雲が晴れない、「雨男」なワタシ(空カット)。

…まぁさすがに、満開はすっかり過ぎてましたケド。

目障りだったコンクリート護岸もなくなると、カップルが等間隔に並ぶようになる…。

さらに歩を進めていくと、前原川が右手に分岐していく(合流点)辺りには、木の枝だか根だかが龍の背のように水面に顔を出しており、その上にデッカイ亀が何匹も並んで、甲羅干しをしていた(亀橋?)。
通りかかる家族連れがみんな、なぜか指さして笑うんだなこれが。

木造で歩行者専用の鷹匠橋は、ちょっと風情のある造り。
その少し手前からは並木に提灯が下がり、屋台の出店が目につくようになる。
この周りを中心にさながら、お祭りのような賑わいになっている。

急に滞留する人たちで混雑してきたので、地図も持ってくるのを忘れたし上流に向かう散歩はここまでで切り上げて、先ほどの前原川の合流点、土手上が少し広くなっている場所まで戻って、持参したキャンプ椅子を組み立てた。

うん、時折吹く風に逆光で桜吹雪が舞って、なかなかの絶景だ(広げた焼きそばの上にも花弁が落ちてくるが)。
むしろ散り際のこの時期の方が、満開時よりもよかったのかも知れない。
川沿いの桜といえば東京では目黒川がいつの間にか有名になったが、俺は「人(混み)」を愛でたいのではなく、静かに桜を愛でたいだけなのだ。さすがにまだそこまでメジャーじゃないこの場所、人が少ないのがいい(近寄ったことないけどなシーズン中の目黒川)。

自分でも不思議なことには、この後酒が入ったら急に素面になってしまい(?!)、周り中独りで来てる奴なんかそれこそ一人も見かけないことに気づく。
そうなったらなんだかいたたまれなくなってしまい14時丁度、手早くキャンプ椅子を畳むと海老川を後にした。

帰宅してから、そういえば(俺たちがかつて「桜~独唱」を歌った)FANっていつだっけ、などと思い出し、調べたら今月7日に終わってた(しかも知ってるバンドは「ひろし」しかなかった)。
まぁどっちにしても今の懐具合じゃ、新幹線を使わなかったにしても辿り着けなかったが。
長いコロナ自粛を経て、それ以前だったら毎年「そろそろアレの頃では」とか身体で覚えていた催事感覚が、全く消失してしまったらしい。