西荻窪でぱたと発車しなくなる。

あと一駅だぞ、俺の帰宅。
「後続列車を待ちます」と車掌、ただひとこと。もうあきれかえって、脱力。
やっとたどり着いた吉祥寺で降りると、接続はまだ一度も乗ったことのない井の頭線の最終、という時間だった。こちとらここまでは、別に悪いことは(考えたけど)してないので、自動改札をけり倒してやろうと思ったが、こういうときの勢いって器物破損までいっちゃうとヤバイので、有人改札でおもわず切符を投げつけてしまった。
ごめんよ、あんたには何の恨みもないんだけど。
井の頭線も振り替え輸送のあおりをくって、明らかに降車する人は多いし、4分遅れで到着。それでもJRとはうって変わって、カタチだけのお詫びのことばを張り上げるでもなく、淡々とした声で、「4分遅れています」、「今、三鷹台を出ました」、「まもなく到着します」と、的確と思える情報を、夜間なので静かに伝えていたような気がした。比べれば確かに、こちらはパニックになるほどの遅れではないわけだが、なんだか別世界に来たよう。「平和だね〜」という気分にさせてくれる。
折り返しでは、「本日の最終電車のため、中央線の到着を待ちます」という念の入れよう。おいおい、中野で水道橋を走っていた下り電車を待ってあげちゃうわけ? とこれにはちょっとむっとしたが、かなたのガードを走る中央線を見ていたら、下りはもちろん到着する気配もなく、程なく到着したガラガラの上り電車から降りてくる客数人を拾って、7分遅れで発車した。