即席スタジオ?

だいたい持ち帰った音源をすぐにいじる、ということができないタチで、このテの仕事はすっごい遅いんだが、今回はすぐにも作業に取りかかりたい衝動。恐らく伝説の女声アカペラバンド“ガーターベルツ”の音源以来。
GBのときはそれでも、その後の作業に梃子摺って結果的に仕上がりが遅くなってしまったものだが。あちらは5トラック使ってて、リード回しがあったり、1トラックごとに差し替えやったり、いろいろ大変だったこともあり。
ただ、いつものことながらまず作業環境を作るのが憂鬱。
というわけで最低限、難渋しつつも椅子の上(だけ)をなんとか片付けて、このよーな作業環境を整備。って椅子には座らないわけか俺?
さっそく取り掛かったのはいいが、この後ミキサー本体のモニタ環境に、苦戦。
全てのフェーダー/トリムがゼロになっているのに、ヘッドフォンからは2トラックの音が聞こえてくるのだ。こりゃどーゆーわけだぃ?
というかいったい今、自分がどこの音をモニターしているのかがわからん。
仕方ないので一旦こたつに戻って(^^)、結線図(ブロックダイヤグラム)とにらめっこ。こういう時は文章で長々と書かれているような情報が役に立ったことはあまりない。
どうやらヘッドフォン・モニターは、(出力端子の設定と連動してて)ダイレクト・アウトとマスター・アウトの2つからしか選べないらしいんだな、コレが。で、フェーダーがゼロで音が聞こえているということは、今はダイレクト・アウトのモニターになっているわけだ・・・8トラック全てが録音されている場合は、録ったままのバランスで8音全部聞こえてきちゃうわけか!*1
まぁ今日び、同じ価格帯のHDレコーダでは16トラックとか当たり前なわけだし、これくらいでうろたえてる俺の方が・・・。
それにしても意外なところで融通の効かないことに気付いてしまった。
内蔵のエフェクターも、使ってみるとアコースティック音を加工するにはさすがに安っぽい音がするので、ダイレクト・アウト端子から引き出した音声を外付けのエフェクターに通して違うチャンネルに戻す(HDレコーダにお定まりの「オールインワン」、とかいっちゃって、AUX端子はついてない)。内蔵エフェクターはリバーブ中心で、これ使ってマスタリング、というにはあまりにお粗末なんだが。
ところが、マスター・アウトを(ヘッドフォン)モニターに設定すると、出力も1−2chはモニター・アウト、3−4chがマスター・アウトに切り替わってしまうので、ここからはダイレクト・アウトを出力できない(なぜか共用の設定になってるのね)・・・。
仕方ないから、1−2トラックの音を、空きトラックにコピーしましたよ。デジタルだから劣化しないけどね。こんなことやってると、意外と8トラなんてすぐ使い切っちゃいそうだな。
ともかく外付けしたエフェクターからは、ショートディレイを通したギターの音をステレオで戻してみた。ギター音の処理なんて実はやったことないので、この方法はなんとかのひとつ覚え。
改めてこれらをミキシングして、EQで少しマイク(SM58)特有の近接効果ででちゃった低音を削りがてら、ボーカルが前に出るようイメージしたら、いやー、本当にあのむさくるしいスタジオで、マイク2本だけでざっくり録ったもんとは思えんほどの、いい音になった。
演奏内容はまだ譜読み段階の曲なんかもあって、何箇所か吹き音なんかも入っているから、これをそのまま人前に出すといったらご本人たちは嫌がるだろうけれど・・・数曲は、このままでも十分使える気もするが。
俺としては(機材への)手ごたえ十分。やはりミキサー(に録音機が付いてる)と割り切って、使うべきものなんだな。
いろいろ書いたが、総じて不満、というレベルには至らない。そのぶん随所で操作がシンプルになっていることが、これらを勘案しても俺にとってはおつりがくるくらい、好印象。

それより、今回の演奏には正直、妬けました(^^) 
こうして音だけ聞いてると(知人であるということを差っ引いて)、本当にプロの演奏に聞こえる。
・・・はい、連休終り(自分の録音は、どうなった?)。

*1:後日訂正:ダイレクト・アウトの場合、モニターできるのは1+2Trのみデシタ。