知り合いの死

実をいうとそれほどショックを受けた、というほどでもなかった。
前の職場からメール。一緒に仕事をしたことはなかったが、六本木時代によく会議室で雑談をしたことのある、前の職場のスタッフがこの4日に、亡くなっていたという。まだ30代だった。
仲間内でお別れ会をするという趣旨。

俺は恐らく、幸せなことにはここんとこ、「死」ということを意識しないで暮らしている。
時々こうして報らされるたびに、強烈にその威力を思い知るわけだが。
自分よりも年下のヒトがこうして、亡くなることがあるってのは、俺も知らないうちにトシをとっちまったもんだ。
なんだか、今日は仕事したくなくなっちゃった。今机の上でやってるコレに、いったいどれくらいの意味があるよ。
・・・っつーかホント、自分でもめんどくせぇオトコだよなぁ、俺って。

今夜もいつものように練習後、ノミ心メンバーと、なんだか雰囲気のいいお店に当たって、気持ちよく飲んで自分たちの音楽について語ったり馬鹿話に興じたりしている。
俺としてはなんだか今ひとつ、調子が上がらないのは、平日夜のせいか。
ドラマのようにカッコよくも、力強くもないけれど、
俺にとってはこーゆーのが、生きているってことなのかな、と思う。
酒浸りの脳ミソの隅の方で。

「お別れ会」といったって、当の、恐らくはその場で唯一俺のお知り合いであるご本人がいないというのに、行っても仕方ないかな・・・同世代の集まりだった患者の会にも、俺が顔を出さなくなってもう何年も経ってしまったから。その友人、という方々を俺は全く存じ上げない。
ただそのことを、痛切に感じる場になるだけだろう。
考えた末の、俺の結論。
素直でなくて、ゴメンナサイ。