なんだか、知らないほうがよかった、と思うことの方が多くて。
俺のカラダのこと、とかでも。
ちょっと前までは医者に行くと、
「体質だから、治らない(症状を軽く見せることはできても)」
とか、いわれたもんだ。
最近、闘病体験記なんかでよくみるのは、
「一緒に、病気と闘いましょう」
と医者から励まされて感動した、とか。
ようやく、ほんの少し患者側に「降りて」来てくれたことが感じ取れるから、この程度のことばにも患者は感動しちゃうのであって、そもそもどれほど上から目線だったんだよ。
ちょっと極端な例をあげれば、主治医としては、「この病気にはストレスがよくないから、仕事を辞めなさい」とか簡単に口にされちゃうわけだが、じゃ、代わりの食い扶持はどうやって確保しましょう? という疑問に答えてくれる医者はいないわけで。
病気はみても、生活全体まで見てくれる医者っていないよな。当たり前か。
かつて患者の会で知り合った「猛者」たちに比べたら、そもそもが自分のカラダに対してズボラな俺は、せいぜい医者をはしごした経験も数軒どまりだが、それでもちゃんと医者に通っていた時期もある。
劇的によくなったという記憶もないんだが、物心ついたときから、もちろん最初は医師に処方されて使っていた、ステロイド外用剤。
そのうち面倒くさくなって医者に通わなくなり、同じ薬が薬局でフツーに手に入ることを知ってからは、だらだらと買ってはつけていたので、自業自得な部分もあるのだが・・・そのうち、全然効き目がなくなっているのに本人は「塗る」という行為自体で安心できる、というなんだか麻薬のようなスパイラルに陥ってた(もちろんステロイド剤に禁断症状があるということじゃないよ)。
あるきっかけで、予備知識なしにすっぱりやめたら猛烈悪化(ステロイド剤・長期連用の副作用によるリバウンド状態)、ここからが俺の「失われた10年」。
ところが、それを抜けると投薬治療を初めた当初よりも、明らかに症状が軽い。実はここ数年の俺は、見た目はどうあれ、俺史上かつてないほど快調なのだ(波はあるけど)。
どのくらいかというと、他でもない本人が「へー、俺ってこんな顔してたんだ」ってくらい。
人生には時々、こーゆーことが起こる、もんらしい。
自分のカラダの持ってる力は、信じてもいいのかも、と思う。
だから今もって、医者が嫌いなんだけど。