ノミの秘ぞう(国分寺・Giee)

今夜の本番は互いに見知った、しかし贅沢な出演者自身によるパーティーの様相で、機を捉えた各出演者思い思いに新曲や「新たな試み」を仕込んでいて。客席との境界がなく、これはこれで、それこそとっても貴重な「生」ライブになった。

俺は店のドラムを使わせてもらえたので準備がいつもより格段早く終ってしまい、飯塚兄弟がPA周りであーでもないこーでもない、とやってる光景をぼーっと眺めていたら(手伝えって〜の!)、不意に「幸せだなぁ、俺」などという感情が湧き出てきてしまい・・・こんなちょっと手を休めているような、なんでもないとき、不意に感じるものらしい、音楽を続けていられることの幸せってヤツは(演奏中は、未だにそれどころじゃないらしい)。
そんないつもながらの準備風景の中に、これも変わらぬ、いつもの俺がいることの偶然(の積み重ね)を思って、ちょっと気が遠くなった。

俺は今夜、「秘ぞう」で歌うほか、吉田&飯塚に一曲割り込ませていただいていた。演目は「Overjoyed」。
さっきカラオケで、初めて3人で一回合わせてみた。
俺が何をどうしたところでちゃんとフォローしてくれる実力の、勝手知ったるメンバーだし。
この時点で、何の不安もなかったわけだが。
むしろ見た目の絵面は、「美人OLとスケベ課長」な感じ?(課長、というには俺に恰幅が足らないか)
事前の打ち合わせで、うっかり(曲順)「最後で」などと口走ってしまったので、吉田&飯塚の演奏をおしまいまで楽しんでからの合流になった。いつもは一緒に演奏するメンバーとして、こんなに冷静に見ていなかったらしく(というかともかく「時間」で切り刻んでしまうのが、パーカッションの仕事だし)。これ以上ない身近で拝聴しているうちに、すごく丁寧な歌い口に、これは(俺に対する)何かの罰ゲームだろうか、などとあらぬことまで考え出す始末(^^;
しょーこさんの圧倒的な実力に、改めてすっかりやられた。
「歌ぢから」というと、声量、とかパンチのようなイメージがあるが、しょーこさんの歌い口はそんなイメージとはむしろ対極にありながら、不意に浮かんだことばが「歌ぢから」。強烈な個性を持っていて、俺ごときでは歯がたたん。
ギター一本の伴奏で歌うしょーこさんは、とっても自由で、思うままに歌を表現していく。
明確な、自分の「歌世界」を持っている人なんだなぁ、と思った。
・・・褒めすぎ、ですかね。さすがに(でもホント)。

まこと、というより「まおとこ」、俺(←おやぢギャグ)・・・失礼しました。
いやー実際のところ、久しぶりにとっても刺激的で、楽しかったんですけどね。
歌っていてこんな刺激をもらったのは、本当に久しぶりで。

さてさて
続く俺にとっての本隊である、ノミの秘ぞう(⇒途中から、心ぞう)の本番。
今回、手持ちの機材はスネアとお気に入りの16”クラッシュ・シンバルだけ使用。それでもタム、バスドラ、フロアタムが使えたので、ただ手を動かしてる、というだけで、なんとかそれっぽく聞こえてしまうんだが・・・ソロ、なんとかやりすごしました。
いかんよなぁ、もっと建設的に、フレーズが叩けるようにならんと・・・終了後はやや、自己嫌悪。
このところの本番ラッシュなスケジュールも甲斐あってか、歌うときも叩くときも、前回のGieeのような「変化球」なことまで含めて、無用な緊張はしなくなった。もちろん緊張しないことはないんだが、自分の緊張の幅が、なんとなくわかるようになったというか・・・。
などといってるそばから「Just The Way You Are」では、テンポ出し、また早すぎたりしてるけどね(1曲は、必ずやるねどーも)。

なんであれ、歌うということになると、やはり歌本番があるとこれが終らないことには酒が入れられない小心者なので、ようやく終演後にありつけたGiee名物(と勝手に)カレーとともに、つい飲みすぎ・・・なんか「イケメンは俺の敵」などとわめいていた、よーな気もする・・・。