初めて見たもの

その割に揺れが少なく、意外と強固に頼もしく思えたウチの事務所
揺れが納まって一斉に舗道に出てきた、同じ時間に近隣のビルで働いているたくさんの人たち
鉄筋コンクリートの建物がしなっている光景
曲がった東京タワーのアンテナ頂上
津波警報の発令を告げるサイレン
全く動かない自家用車の列と
乗れないとわかっていても並ぶしかないバス停の長蛇の列
電車の来ない駅
隊列を組んで黙々と歩く人たちの、途切れない列と
何事もなかったように営業している飲食店のギャップ
ニュースしかやっていないラジオ
久しぶりに電話で聞く家族の声
結局全行程歩いて帰宅した、自室の惨状

テレビの中の映像で
見知っている地名が告げられるたびに
そこに住んでいたであろう方々の安否と
そのことを思いながら遠く離れた地で同じように胸しめつけられている友人たち
祈ることしかできない自分

今更ながら
おこがましくもどかしいけれど
私は無事です