ロスト・ザ・帰り道

先に次の予定に向かった純吉さん以外の我々、オトコ3人。未練がましく閉園時間近くまで飲んだあと、帰り道で揃って迷子になった。と書くとバカにされそうだが、昭和記念公園に行ったことがある人ならわかってくれると思う。とにかく広さがハンパない。総面積、東京ドーム40コ分だそうな。
年齢相応に図体のでかい男性3人組だが、こうなるとすっかり、心許ない。
パークトレインが、「ここを右折、右手が西立川駅へのゲートになります」と車内放送をしながら右折、細い登坂をぐいぐい登っていった。「こっちじゃね?」と不和雷同、こちらはついて行ける早さなわけもなく、すぐに見失う。途端に周囲は、全くひと気がなくなり、先ほどまでは来園客に囲まれて愛想を振りまいていたねずみーみたいなの(?)が、「みぃたぁなぁ〜」と襲って出てきそうなコンクリートの建物とか、道の舗装こそ新しいが雑草に覆われた基地時代そのままの施設とか、しかないような空間に迷い込む。もちろん案内看板なんかひとつもない。
そうこうしているうち閉門時間は迫り、周囲は暗くなってくる。両肩の楽器はずっしり重いし、元々旧陸軍の基地を米軍が接収した地、ということもあり、「閉門と同時に、あの地平線から『さまよえるアメリカ兵』が群れで現れるんだぜきっと」とか・・・バカなことでもいっていないと、気力が萎えて足が止まる・・・。
結局東京ドーム2個分の(演奏)会場「みんなの原っぱ」をほぼ一周したカタチになったらしいが、なんとか無事、出口へ。ここでも不思議だったのは、まだまだ駅へ帰る人たちはたくさんいたのに、ゲートはひとつしかあけておらず、ゲート前がちょっとしたラッシュになっていた。閉園時間だからはよ出ろ、といっているのにねぇ・・・(別に入園券を改めている風でもなかったし)。
普通、肩が痛くなったら反対側に背負うわけだが、今日は両肩に楽器・・・両腕が抜けるかと思ったよ。これがきっかけで●十肩・・・かと思うくらい、腕が上がらなくなったところで、駅からタクシー車内に転がり込んだ。
本当は今日、一番タクシーを使いたかった局面は、昭和記念公園の中だったなぁ。東京都内で、稀有な体験しました。