床屋へ行った

47日ぶりだった、らしい。
毎回違う店、毎回違う店員なわけだが、「三分刈りにしてくれ」というと、申し合わせたように必ず数回、復唱される。
確かに「聞こえまつがい」だと、トラブルになる典型だろうけれど。
人並みはずれてカツゼツ悪いとか、声が小さいという自覚はないんだがなぁ、俺。
そんなやりとりにも、もうすっかり慣れたけれど。
学生時代は、体育会系に入部した友人が丸刈りにされていたのを横目に、俺は絶対にああいうことにはならないだろうな、などと思っていたものだが、今や自ら志願している、この変わりよう。
別に失恋したとか、そういう下世話な話ではなく、何故か数年前のある日、うちの家系から推測して、いずれGH(ドイツ語読みして、ひっくり返す)になったときの心構えをしておいた方がよいかな、とある日思い立ったのだった。
最初こそ「三分刈り」をオーダーしたとき、恐らく傍目には表情がこわばっていたに違いないが。
今はそんなこともないはずなのに、また復唱されるのだった。
それにしても、短髪に慣れてしまうと手入れがいらないのがとってもラク
しかも少しでも伸びてくると、鬱陶しく思うほどになってしまった。これは誤算。月に1回は床屋のお世話になるペースだ。