聖誕祭前夜

というわけで、そこは祝日、ガラガラの通勤電車に揺られながらも、何事もなかったような朝の出勤。
当然のようにウチのシマだけが全員出勤しており、朝礼もちゃんとあったりする。やっぱりオカシい、ウチの会社は。
いつものように20歳代後半の上司に叱責されて、まぁただでさえモチベーションないのに無理して出勤なんかするんじゃなかったな、とこれもすっかりいつもの光景。
とはいえ他のスタッフは要領よく半休とか早上がり。俺は出勤時間数の調整もかねているため、ひとり定時まで残っていたが、ろくに仕事もしないまま早々に帰宅。
せっかく早く帰宅できたのだから、ケーキのひとつくらいも買ってみようか、と思ったが、ひとりちゃぶ台にケーキでもあるまい、と早々に諦めて、月に一度はお世話になっている近所の定食屋の老夫婦の顔を眺めながら、量だけで色気の全くない定食に餃子をつけて、一日分の食費をこの一食で使い果たしてみた。
12月の最終週、というだけでこんなにもやさぐれた気分になってしまうのは、他人は他人、といえないほど己の気力が弱いんだろうなやっぱり。
いつもにも増して乱痴気騒ぎになっている商店街を抜けて部屋に戻ったら、残った今日という日を無視することにして、テレビも点けずにさっさと寝るよ。
このままの気分だと、明日にももう、仕事も人間関係も、何もかも辞めちまえ、になりかねない。
思えばこの地では、誰も俺の存在を肯定してはくれていないような気がして。