立川いったい祭り

久しぶりに乗った西武新宿線の先頭車に、子どもたちと一緒にかぶりつきの日曜日。
車内が空いてきた花小金井あたりで、走行中の運転手に向かってガラス窓をノックしようとした(!)おばあさんと目が合い、「国分寺へはどう行ったら」と尋ねられた。祖母に似ていた。
この界隈の西武線までを縦横に乗りこなせてこそ、(元)東京人というものだ。
なんだか、車窓を流れる夏を前にした景色は、自身の高校時代と重なって映り、切なさいっぱい、カバンからカメラを出せないままで見入ってしまった。

「立川いったい祭り」の飛び地?的会場である、若葉ケヤキモールへ向かっている。東大和市駅からバスへ乗り換えだ。以前、ノミの心ぞうで出演させていただいたこともある、
それにしても、規模の大きい祭典に進化したものだ。
今日のお目当ては、ピーチとクッパ(任●堂さんとは無関係です)。
天気のいいショッピングモールの、青葉が目にまぶしい。ギターの音色と澄んだ女性ボーカルが大変耳に心地よく、あっという間にビールが一缶、カラに…。
引き続き「クッパ」こと真司さんのソロ・ギターのステージ。真司さんはこの後、立川駅近くのホテルのロビーでも、ソロ・ギターの演奏予定があり、大活躍の一日。
しばらく聞かない間に、テンポがすごく落ち着いた演奏スタイルに変貌を遂げていた。打楽器奏者(恥…はしくれです)の俺からすると、休符の踏み方が甘い真司さんらしさは相変わらず。なので、全体としてドライブ感がある演奏、というよりはルーズな「味わい」になっている。弦楽器としてはすごいことをやってのけているんだろうけど、遺憾ながら弦楽器無知な俺にはよくわからない、というかいとも簡単に演っているように見える。それでいてテンポの帳尻は合っているというのは、いったいどういうカラクリなのかな…(^^;

残念だったのは、会場で入手したプログラムによると、音楽工房ZOOの演奏が昨土曜日に数箇所の会場で行なわれており、こちらは仕事で来られなかったとはいえ、ノーマークだった。申し訳ない。
インスタント酔っ払いは、この後立川駅までタカシゲ氏の車に同乗させてもらい、伊勢丹前ステージで久しぶりにうみねこやのみなさんの演奏を観る事ができた。
メンバー変更があってから、演奏スタイルも落ち着いてきて、よくも悪くも、このメンバーならこんな音、という俺のイメージ通りなことにはなっていた。

ももこ夫妻とは、「また俺寄の飲み(…えっと、主たる活動は練習の方なんですが)に押しかけるからね〜」といわれて別れ、俺はその場に少し残っていた。
次のステージ準備中、新型リズムトラベラーがチラと見えたからだったりする。
それから、プログラムのプロフィールに「千葉出身」とあった女性歌手の方の演奏を引き続き拝聴したが、ちゃんと事務所がついているプロの方らしく、さすがに声をかけるのはお恐れ多い。ギターを肩から下げていたものの、演奏は完全カラオケだったりして、このスタイル、音楽活動熱がマックスに達した先月くらいに俺自身も、どこぞの駅前あたりで実践してみようかとかなり具体的に考え始めていたことだけに、実際にやらなくてよかった、とちょっと思ったり…。
やっぱ多少なりとも知名度のあるプロだからこそ許されるワザ、だよな、これは。俺みたいな素人がやっても、興ざめ。
この後、他に数会場ハシゴしたのだが、偶然出会った、ノミの心ぞうと似通った編成、演奏スタイルのバンド。ドラムの生真面目なビートが遠目(耳?)にもとても気になって、足を止めてみたのだ。少し前の自身の演奏スタイルを見せられたような、妙な気分が、こそばゆい。ようやくそんな演奏に出会えたということは、これこそ以前真司さんがいっていた、自身の進歩を確認できた瞬間、ということなのだろうか、などと。
プロはだしの上手い演奏に出会って感動するだけでなく、自身の演奏を客観的に計る機会、にもなるんだなぁ、屋外フェスって。なんだか新鮮な気分だった。