偏屈に、磨きがかかる。

すっかり音楽活動から遠ざかってしまい、以前にも増して「フリーダム」な生活が続いている。これはこれで、元来人間嫌いな俺にとって、悪いことではない。
加えて、お陰さまで土曜日も世間並みに休みが取れる身分になったので、今日なぞは近所の公民館で、図書館主催による「習志野の鉄道〜今と昔〜」という講座、を楽しみにしていたのだったが…。
先ほどから会議室の入口で、オヤジが「入れろ」職員の「(今日は満席なので事前予約のなかった方は)入れられない」の押し問答が、もう10分以上も続いている。会場内ですでに席についている俺の耳にも、このやり取りが嫌でも入ってきてしまう。
職員も、こうなったらいっそ警官でも何でも呼べばいいと思うのだが、全く融通がきかない。
俺はすっかり、心楽しみに開講を待つ、という気分になり損ね、開講5分前には完全に「不快スイッチ」が入ってしまった。
もう辛抱ならん。
司会の職員が会場内での注意事項などのアナウンスを始めたタイミングで、鞄を持って席を離れた。まだ入口で駄々をこねているオヤジに向かって、「アンタ、入れよ」というと、先ほど入口で配られた資料を投げつけて出てきてしまった。
どんだけ聴講したかったんだか知らんが。あの手の年寄りは、単に職員相手に駄々をこねたかっただけ、なのかも知れん。
思わず「ありがとう」のことばがオヤジから返ってきちゃったのは、なんとも間の抜けた話で、俺も咄嗟のこととはいえ、「アンタいいトシして、煩いんだよ!」くらいにはちゃんと、俺自身の不快感と怒りを顕わにしておけばよかったわけで。この身体の震えが止まらないほどの不快感が伝わらなかったのなら、大変遺憾だ(「遺憾」の正しい使い方)。後悔するとしたら、この一点に尽きる。
しかし、俺の偏屈も極まってきたな。
果たして、偏屈で名を馳せた内田百輭先生でも、俺と同じようなことをされたであろうか?

結局、声がデカいヤツ(や数が多い方)の意見が通るのだ。
・・・しまった、この流れにうっかり加担してしまったか。
(代表制)民主主義だかなんだかと同じ、社会の「欠陥」だ。あのヒトラーだって、ちゃんと選挙で当選してんだし。手放しで正しい物事なんて、この世にはひとつもない。

というわけで、今日の俺は急遽予定変更。「過去」よりも、今のデンシャ、ということにした。
線路際に張り付いて1時間ほどカメラを構えていたら、少し気が晴れた。
明日はいよいよ、AE100形のラストランだ。丁度いい「予行演習」にもなった。

あのテのオヤジは多分、講演中も終了後も空気を読まない言動を吐いているだろう。そんな場に同席するハメにならなくてよかったと思うことにした。

俺は、オヤジが大嫌いだ(ネーチャンの方が好きだ)。
できれば俺自身も、オヤジにはなりたくない(だからといって、オネーチャンになりたいとも思わないが)。

講師の先生のお話を直接伺えなかったのは残念だが、本を多数出されている方なので、そのうちのいずれかを拝読してから、次の機会を待つこととしよう。

それからバスでカインズまで行って、先日偶然にもテレビで見て知って以来念願の「魔法のカリーポット」を入手。手軽でいいが安いレトルトカレーに特有の、あの「防腐剤臭」にはもううんざりなのだった。

まぁそれなりに充実した一日になったか。