猛暑


この7月の酷暑のせいか、何をするにも昼間は全く、動く気力が出ない。
それが辺りが暗くなってしまい、風が涼やかになってくる時間帯になってようやく、貴重な(予定のない)週末、アレをやらねば、コレもやらねば、という気分になるが、時すでに遅し、だ。

小学校の向こうから、大きな赤い月が登ってくる。
というわけで、一向に建設的なまとまりをみせなかった土曜日の終り。
こんな南風が吹く夜は、ときおり汐の香りがする。
改めて地図を見たら、海岸線からは直線距離で約5kmくらい。
今夜は海の匂いがいつもより強いようだ。
そのせいかどうか、なんだか感傷的になっている。
何度カノジョを見送っただろう、この駅、この改札。
今夜も同じような光景が、繰り返されている。
名も知らない、若い男女。

幼い姉弟の手を引いているお母さんは、券売機前でカードを忘れてきたのに気付いたらしい。
慌ててキップを買ったが、もうホームに滑り込んでいる上り快速電車に…は間に合わず。
冷静になってみれば、間に合わないと判断した時点で改札口を入らないで、カードを取りに戻る、という選択もあったかも。
まぁこんなもんだろう、実際は。
今日の俺の、なんともまとまらない一日を見せられているようだった。
このくらいの小さな「ドラマ」なら、30分ほどベンチに座っているだけでいくつも出会うことができた今夜の駅前(NHKの72Hという番組を観ているみたいだ)。
明日は都内でWINS練。
だがもう、月曜日の出勤のことを思って憂鬱になっちゃってるんだな、俺は。
まずは明日を、楽しまないと。