掛け時計

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思えば「初代」は、不遇だった。


千葉に引っ越してきた2012年。とにかく当時の職場からは引越しをせっつかれていたので、2週間で物件選定~入居という荒業になっちゃったこともあり、入居してからしばらくはリュックひとつで持てるものだけ持ち込んでの、キャンプのような生活がしばらく続いた。
さすがに腕時計だけだと不便だ、ということになり、近所の100円ショップで取り急ぎ「初代」掛け時計を買った。
こうして生活必需品が徐々に増えていくんだろうな、くらいに思っていた。
想定外だったのは、昼間の賑わいは東京の実家周りと変わらないがこの辺り、「寝静まる」時間帯が早く、安物の時計の、秒針の音が俺の安眠を妨げるようになった。
というわけで当初リビング(笑)*1にあった掛け時計は、冷蔵庫上に移設。
冷蔵庫の上では、何度時間を合わせても、電池を交換しても、なぜか必ず5分進む(なぜか5分以上は狂わない)ようになってしまった。
まぁ進む分には生活上、支障があるわけでなし。
後日、ちょっと近所に買い物に出た際、台所の窓を開けておいたところ折からの強風で、帰宅すると冷蔵庫からみごとにダイブしており、オールプラスティックだとばかり思い込んでいた前面ガラスが粉々に…。
ビニール手袋をして、慎重に割れ残っていた破片を取り除くと、時計盤面は素通しになってしまった。
もう落下しても割れることもないだろうが、この頃には実家にあった(お気に入りの)掛け時計を持ち込んでいたので、「初代」はバスルームのドアに移動。
改めて時間を合わせたところ、その後は5分進むことはなくなっていた。
察するに冷蔵庫が発する不規則なコンプレッサーの振動のせいだったらしく、知らなかったこととはいえ掛け時計には過酷な状況を強いていたらしい。
ようやく安住の地、かと思ったが、1年を経ずに動かなくなってしまった。
それから2ヶ月余り。
今回ようやく、同じ近所の100円ショップで「二代目」購入。
色(ミントグリーン)はちょっと派手かなぁ、と思っていたが、これが意外と、他にこれといって彩りのないバスルームでは「緑1点」といった感じで主張しており、悪くなかった。
指紋ひとつついてない新品はやっぱり気持ちよく、時間を確認するたびに思わずニヤけてしまう。

*1:ワンルームですけど。