小さく歯車を、回す。

今週はたとえ仕事でも、都庁なんか行くもんじゃなかった。
俺が即位するわけじゃなかったんで、うっかり忘れてたよ。
いつものように展望台への行列かと思ったら第2庁舎(事務棟)入り口でも行列で、飛行機に乗ったことのない俺が生まれて初めて、金属探知ゲートというものをくぐる羽目になった…想定外に疲れた。

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事務所に戻ると、直属上司のお導きでさっそく社長と面談。
今の俺の内なる勢いを削がれないうちに、静かな「賃金闘争」の開幕だ。
といってもいきなり直談判、などというバカなマネは、さすがにしない。
まずは緩やかな条件闘争から。
組合なんかあるわけないし、ウチの会社。
世の中には、決して映画の中での話ではなくて、こういう人生の重い決断をする際なぜか必ず寄り添う美女がいるとゆー恵まれた境遇のオトコもいるが*1、俺は今回もこの「現実」とひとりで対峙することになる。まぁそもそも貧乏なヤツには誰も寄り付かんのもわかるけどな。俺だって寄り付かない。
逆に考えればまぁ、どっちに転んでも気楽なもんだ。
仮に会社とガッチャンコしてしまう最悪のシナリオで、来年今頃の俺がホームレスになっていたとしても、誰も巻き込む心配はないんだし。
それまで俺が見ないようにしてきた、所得格差とやら。
アフガンに侵攻した旧ソ連*2、じゃないが、皮肉なことにはバンド初の合宿で、これ以上ない至近距離で目の当たりにすることになった。
それらを俺ひとりが我慢してまで続けていくほど、このところの音楽活動その内容には主体的な意味を見出せていない。
だから、
毎日ウマいもん食って
好きなアーティストのライブにも年4回くらいは行けて
車転がして好きなところに出かけて
嫁と子ども飼って
30年ローンで秩父に一戸建てを買う(^^;
…ところまでは、限られた時間内では無理かサスガに。
現実的には、毎月給料日前2週間は昼食抜きという現状の打開と、この時期インフルエンザにでもかかったら躊躇なく医者に駆け込める程度の懐具合の余裕は欲しいところだ。
さて、どこまで駆け上がれるか。
本人華々しく決意した途端に車にはねられて大怪我したり、健康診断で新たな病気が発見されちゃったり、なーんてことになったら本当に映画化だ(笑)。
運よく他のメンバーと同じ生活水準のものがひとつでも手に入ったなら、今の俺にとってはもう長いこと、何を見てもモノクロにしか見えないようなこの「世界」が少しは違って映ったりするんだろうか。
…妙に落ち着いちゃったツマらんヤツになってるかも知れないな*3
俺の場合、満ち足りた生活からは何かを表現したいというモチベーションはわいてこない気がする。

ともかく今の、理解ある上司がいてくれるうちに。そう思うと、時間はあまり無駄にはできない。
歯車は回り始めた。どこにどう転がっていくかはまだ誰にも、俺自身にもわからない。
今は自分自身と向き合うためにも余計な「雑音」を一切排した環境がほしいので、バンド活動に戻るかどうかは「そのとき」が来たら改めて考えることにしようと思う。

*1:往々にして自身が恵まれているという自覚もなかったりして…こういうヤツを何人も知っておるが

*2:民主主義陣営の兵士が、ラジカセを始めとする見たこともない便利な電子機器を普通に所持していて、カルチャーショックを受けたらしい。後のペレストロイカの原動力になったといわれている。

*3:経済的に比較的安定していた時期のバンド活動で経験あったりして。