ご存知ない方のために

本番前のStuck楽屋では、緊張からいつもより雄弁になった私が、奥ちゃんを緊張に陥れることばを吐いていたものだった。自分より緊張している人を見ると、自分が緊張しないですむ性格なもので(かなり真剣な心理戦が毎回、展開されていた)。

酔った頭でなんの脈絡もなく、穣さん連れて来ればよかったな、などと思っていた(後で思うと同じベーシスト、というくらいの繋がりでしかないのだが)。
前日の、本番前の自分の緊張感を思い出し、今聴く側に回っている自分の幸せをかみ締めつつ、耳からの音楽を存分に楽しむ。後で一緒に飲んだビールが、旨い!

例えばこういうところへアカペラ・バンドが出て行っても、違和感があるようではまだまだなのだな。音楽のカタチや、アカペラならではのルールや理屈なんて、聞く側にはどうでもいいことなのだ。4〜5人の歌い手しかステージにいない図は、確かに独特に映るかもしれないが、グルーヴや演奏内容に至るまで、「自分たち色」で満足していては通用しない。メンバー全員がいい歌い手であり、同じような魅力をもってステージの外に伝わる音楽になっていなければ。
世の中、演奏者側の理屈で、勝手にアカペラを特別なものとして考えたり、広めようなどといって壁を作ってしまう段階ではなくなっているのだった。