つづら折を数えながら。

最初のつづら折までは、駅から約10分。カラダが慣れるまでの、この最初の登りが一番きつく感じる。今年は、昨年2日よりも人の出が多いようだ。結局、つづら折は4つ。家族連れの子どもがだだをこねるのに、自分の子どもの頃を思い出したり、何故か「エス」という映画のあらすじをズーッとしゃべりながら歩く二人連れの後ろになったり、男女ペアはそれなりに、女性の側だけを後ろから眺めつつだったり(危!)、下界から煩悩を引き連れて登ること約30分。これだけ無理強いをすれば、さすがに腰痛も、少しはよくなった気がする。5つ目にあたる前に、リフトの山上駅に着いてしまった。ほどなくケーブルカーの終点でもある、見晴台。ここでしばし、昼食休憩。

登山重装備で、すでに飲んでいると思われる(といっても酔っているという風ではなかったが)中年女性が、何かの弾みに転んで動けなくなっていた。その周りをお仲間たちが心配そうに取り囲んでいた。何の傾斜もないところで、気を抜いたときの方が危ないのかも。気をつけよう。
俺のようにひとりきりで、得体の知れないのはサスガにあまり見かけない。何かの拍子に足を折らないまでも、くじくだけで十分。動けなくなってしまえば、誰かの世話になるしかないのだ。どんなに低い山でも、あなどれないな(本当はひとりでは行かないに越したことはない)。