「上野の森コーラスパーク」に出演しました。

  • My bonny lass she smileth
  • 明日ハ晴レカナ曇リカナ
  • 満月の夕

キャパ2,000人の大ホール、なんて客として行ったこともない。
おまけにPA、マイク一切なし。
オーケストラが入れるだだっ広いステージ上にたった5人、という図は、想像するだに恐ろしい。
だからかどうか、珍しく鳩尾がキューッと痛い、本番前。随分忘れていた、久しぶりの感触。
軽い声だしの後、ロビーで出演者受付を済ませると、プラカード持った女子高校生に誘導される(甲子園の入場行進で見る、アレ)。
他のどの団体も、少なくとも20名からのメンバーがその後にぞろぞろついて歩くのだが、我々はどこから見てもプラカード掲示の必要もない5人組ジャマイカン・ボブスレーチーム(?)。担当の女子高生も、こころなしか拍子抜けしてたようにお見うけしたので、着替え、リハが終わり入場待ちのロビーでは、本番衣装との兼ね合いでステージ上の並び順について、ご意見を伺ってみたりしました(何だか、笑われました・・・)。
指定された出演者席(会場最前列。これもたっぷり一列分、用意されていた)で、出番待ち。
まほちゃんも檀ちゃんも、あと30年もすると、あ〜なるのかぁ(自分のことは完全棚上げ)。怖いねェ、時の流れってやつぁ。などと他愛のないこと考えつつ、実は緊張感のかけらもなかったりして。
だからなんで鳩尾が痛いのかが、不明。

女優の竹下景子さんが総合司会で、インタビューでもされたらどうしようかと、ちょっと騒然となったが、進行を見る限り、全ての出演者にインタビューしているわけではなさそうだ(そりゃそうか)。
ステージ上の音は、腕を横へ広げた長さほど離れただけで案の定、隣のメンバーの声すら聞こえない、孤独状態。なんだか懐かしい感じがした。弱小合唱部だった学生時代にも、ステージ上でのリハなど望むべくもなく本番、ということも多かったから、こんなステージ上の環境も、なんとなく「想定の範囲内」。
で、合唱コンクール(中学の時)の頃から、第一声を制するものは場を制す、という教訓もあるので、ここはやや固まりぎみのメンバーがいようが、声量バランスなんざ無視、100%スタート、と腹が座ってた一曲目。今日の自分の、コンディション確認も兼ねて。
ソロではなくバンドで歌っている以上、なにより一緒に歌っているメンバーに、安心感のある歌い手と思われたい、という思いも最近、強くなってきている。
そんなわけでまぁ、ここはいつも通りイッとけ俺、みたいな。
いずれにしても、これだけ大きい会場で歌えることは、今後もそうはないだろう。
また自分のアカペラ歴には、輝かしい記録となったはず(結果はどうあれ)。
ロビーに出て、客席で聴いていただいた顔なじみの方たちの感想をひとしきり伺う。
「合唱界にさりげなくケンカを売ってたような・・・」
もっとも、合唱界側にも軸足のある方たちからの評なので、憤慨しているというよりは歓迎のニュアンスを多分に含んでいる。合唱をやっている人たちの中にも、最近は同じ音を歌っている人が隣にいるからつい頼る、という演奏のあり方に危機感を持っている人たちが増えてきている感触。実は母集団がでかいだけに、懐もでかいわけで。形こそ違えど、いろんな思いで歌い続けている人たちがいる。往々にして「壁」を作っているのは、自分の方だったりするもんだ。