あの頃には

まだ、アカペラ公園は近所の井の頭でやっていて、こんなに家の近くでやっているのに、なんだかその輪の中に入っていけない自分にイラついていたっけ。自分が歌える環境でなかった、というだけで。今でも時々、そんなフラッシュバックじみた感情がこみ上げてくることがある。あの頃の俺と同じ境遇にいる友人と会場で巡り合ったりすると。公園の開催自体には、何の罪もカンケーもないのだが、たまたま人生のいろんな場面に、大きなウエイトを持って関わってしまうんだよな。
今は、歌い続けていることがあまりにも自分にとって普通なことになっていて、運営に携わっている顔見知りの方々には申し訳ないが、「卒業」、そういえるのなら、なんだか悪い気はしない。
そんなわけで諸般の事情から、今回はエントリできなかった。だからといって、したくてもできなくて歯噛みしていた頃の、あの重い気分には、さすがにもうならなくなった。またいつかあんな日がくることも、あるんだろうか、断言はできないが。
顔ぶれが変わり、世代が変わっていくのは、世の常だけど。