呉羽病院

病院に着くと、正面玄関に立派なコンサートの看板が。
そして控え室はなんと、「人間ドック待合室」。
通常は応接にも使われているらしく、ソファーや大画面テレビに向かって放射状に、リクライニングシート。俺がトイレから戻ると、他の4人全員が放射状にフル・リクライニングしていた。
こらこら、リラックスしすぎ(^^
これだけの広さのスペースを5人で使わせてもらったのは、後にも先にも今回が初めてではないだろうか。
風邪っぴきのメンバーもいる中、
これならいつ倒れても安心だね。
っていうか、病院だから、ここ(救急車いらず)。


演奏会場になるのは、病院の一階受付ロビー。今日は土曜日なので休診。
吹き抜けになっているどまんなかに、でっかい柱があるのはどーしよーもないが、客席からみて左右どちらにもステージが取れるということで、後ろに壁を背負うカタチの右手側をお願いした。結果、これがよかったらしく、吹き抜けロビー特有のいやな残響もなく、すっきりとした音のなかで歌うことができた。
目をつぶってじっと聞き入ってくださったお客さん、一緒に「岬めぐり」をくちずさんでくれた男性、手拍子で応援してくださった病院側スタッフの方々、とっても暖かいお客さんに迎えられて、気持ちよく演奏できた。
拙い演奏でどの程度、唄を通じてメッセージを届けることができたかは、わからないが。
個人的には、5人なのになぜ4人で歌う必要があるか、とやや抵抗感を捨てきれないでいるバーバーショップ・スタイルも、概ね好評だったようだ。演出上不自然でなければ、まぁいいんだけどね。未だに理由がわからないまま、歌ってる(というか、4人でやるなら俺が休みたかったりする)。


HPでテーマを聞いて、ぜひとも生で聞いてみたいというスタッフのリクエストで、ペンギンのテーマを追加した、少しはゆったり歌えたか、の2回目。
ここまで歌いつけると、さすがに声がすかすかになりかけていて、マイクなしでの演奏となったアンコール。
花束までいただいてしまい、恐縮至極。
だんちゃんに聞いたら昨年のうみねこやの本番より、1時間ほどスケジュール全体が早いらしく、スタッフの簡単なウチアゲに合流させていただくことができた。2段式になった店内にアップライトピアノを持つ喫茶店。木目板の内装が落ち着いた雰囲気で、広さは十分とはいえないが、時々ジャズ・ライブなんかもあるそうだ。窓の外では夕日が刻一刻と、空の色を変えていくのをみることができた。
スタッフの方々と音楽談義に花を咲かせる、楽しいひと時は、あっという間。帰りの特急に間に合うように、駅まで送っていただく。
聞けば中瀬さん、2月の花鳥風月にお越しいただいていたそうで、その際に今回の話が決まったらしい(先方で)。いや〜びっくり。いつ何時、見られているやらわからんものだ。
それはともかく、こうした手作りのコンサートが、今後も末永く続いていかれますよう、陰ながら応援したい気持ち。ともすると暗い場所になりがちな病院が、少しでも地域の方々にとって身近で暖かい交流の場になればいいな、と思う。往年の「バーバーショップ」ではないけれども。
あいにく駅前に酒を売ってる店はなく、酔い覚ましの缶コーヒーを買って、列車に乗り込む。偶然にも往路と全く同じ、指定席(1号車6A)。