やがて遠来のお客さんから順に

名残惜しげに帰られると、店内は客席に輪ができるくらいの人数に。
英さんがウクレレを取り出し、真司さんがベースを手に・・・おっと。俺は店の入口に置かせてもらっていた自分のカバンからブラシを取り出すと、カウンターのだんちゃんに、オーダーならぬ、
「俺に(空き)ダンボールをくれっ!」
カウンター内足元に手頃なのが転がって見えたのだが、どうやら酒瓶が一杯詰まっている様子。次の俺のセリフは、
「俺に(表面が)ザラザラしたものをくれっ!」(ただの我がままな、酔っ払い状態)
魂の叫び(?)を聞きつけたお客さんたちからは実に、ファイルだの箱だの本だの、様々な使えそうなものを供出していただいた・・・末、潤哉さんがステージ袖からもってきてくれた「紙袋」を、客席の丸椅子にテープで貼る! という方法に落ち着く・・・これでどんなに叩いてもこすっても、ズレません(そーいう問題か?)。
なんか手近にあったものをなんでも楽器に、っていう発想自体が楽しいね、「即席スネアドラム」(元が丸椅子なだけに)。
客席からも、演奏が始まるとスプーンを器用に打楽器にしたり、だんちゃんの唄にハモったり、ピアニカで参加したりと、「俺も俺も・・・」になって演奏の輪が広がっていくのが、実に楽しかった。
後で思えば楽器の演奏でこういう具合にあわせるのって、生まれて初めてだったのではないか、楽譜なしで。全く、下手の横好きとはよくいったものだが(俺)・・・一方でこの歳になってようやく、こういう風に無条件に、音楽を楽しめる素地くらいには、手が届いたのかなと思う。ピアノでも歌でもなかった、というところが自分でも意外だったが。
演奏はまさにノミの心ぞうお二人に挟まれた縄跳び状態で、「♪阿〜仁さんっ、おはいんなさいっ」という優しい演奏環境で、3曲ほどやらせていただいた。ノミ心のお二人から「Aメロ」、「じゃ、Bメロは俺が」、とか「ウクレレ・ソロ」とか、演奏しながら指示が飛び交うのを、日ごろのアカペラ現場とは全然違う演奏環境として興味深げに眺めていたが、「じゃ、ドラム・ソロで」・・・え、え、えぇ〜?! すすすすすみません、(手作り)スネアしかないんですが・・・という暇もなく、なんだか自分でもわからないうちに、なんだかわからないフレーズ(もどき)を叩いていた16小節。
脳みその普段使わない側をメイッパイ使った感じで終了。即席スネアは、キレイにはがして畳んでご返却・・・これはこれでなんだか便利。
さらにさらに、ウクレレとの共演といえばペンギンでは定番(というか今のところノミ心さんとはこれだけなのが惜しいが)「中央線」を、その場に残っていたペンギン内声パートのみで歌わせていただいた。
スージーに指摘されるまでもなく、やりたいことぜ〜んぶやらせてもらってひとり満面の笑顔、でありました。
いや〜、行ってよかった(明日会社行くの、嫌だな〜)。