練馬区立美術館

ほとんどの作品を静岡の美術館が所蔵している、石田徹也さんの作品。
社会風刺を得意とするその独特の画は、matrixの和田さんの日記や、ほぼ時を同じくしてNHK教育の新・日曜美術館などでも解説紹介されていて、一度は静岡に行ってでも、現物を見たいなぁ、とずっと思ってた。
が、なんと練馬にいました。
明日が最終日、という今日、やっと時間が取れたので、大掃除をさぼる言い訳も兼ねて行ってみた。

シニカル、というかときにグロテスク、というか。
画集だけではわからない、実際の画のもつ大きさ。アクリル絵の具の色具合。
社会風刺を描くにあたっては、最初はわかりやすい画だったのが段々、「見る側の気の持ちようで、いろんな解釈ができる画」へと、自身の内で方針が深化していったらしい。
なるほど。
これらの画を見てその風刺を笑えるヒトは、今の俺は、幸せなんじゃないだろうか、とふと思った。

31歳で夭逝。その短い生涯に書かれた作品は、中身が濃い、というか、作風が短い期間に変わっていくのもわかって、いろいろと作家のひととなりなどへの想像を刺激される。
そんなことを思いながら見て回っていたら、ともすると暗いトーンが多い画風なのに、なぜか見終わった頃にはすがすがしい気分になっていた。不思議な体験をした。
行ってよかったよ。