楽器隊のセッティング

だけが、当日その場になってみないとわからない課題だったのだ。
何しろクラシック音楽のホールでの、楽器演奏自体が初めてで。
まず耳が、この特殊環境の残響に慣れるまでに時間がかかった。
ひと仕事終えられたばかりの、ピアノ調律士の方の耳までお借りして、ご意見をいただきつつ楽器の位置決め。
ウッドベースは、一応アンプ持参で、マイク集音も想定していたが、さすがにホールでの音伸びがいいので、関係者協議の上、ドラム同様生音でいくことになった。
ドラムのセッティングについては、いくつか事前に同曲の実演を参考にさせていただいたのだが、どういうわけかタムなし、クラッシュなしで演奏している合唱団が多数。JAZZミサの常道? なのかどうなのかわからない(そもそもドラム&ベースには楽譜がないのだ)が、なんとなく揃えてみた。
少ないなかで、シンバルのたたき方だけでも4種類、ハイハットをクラッシュ代用に使ってみたり、バスドラをタム代わりに(これはジャズではよくあること)してみたり、と練習中はそれなりに試行錯誤だった。それぞれの楽器の扱いに神経を払う、といういい経験をさせてもらった(それでもうっかり、スティックの打角を間違おうものなら・・・よく「誤爆」しました、すみません)。
まぁ手数少なく、というか最終的に自身の実力に危なげないレベルの演奏に落ち着いたので、ドラム初心者用のサンプル演奏、にはなったのではないか。

日頃よりはるかに広いホールでの演奏ということもあって、バスドラには低音増ししておいた方がいいと思われた。客席からはさすがに見えない打面側、いつも通り手拭ミュートでもいいようなもんだが、なんとなくこちらも畏まって、これを機に打面側ヘッドのみをREMOのピンストライプに張り替えてみた(写真のバスドラに書いてある目と口は、思いつきフォトショ加工…実際に描いたわけじゃありません)。

会場ではドラムマットをご用意いただいた、のだが何しろこちらのドラムが特殊(サイズ)だったため、マットを前後逆向きセットすることに。バスドラが乗る肝心のスパー(脚)が、このままだとマットからはみ出してしまうのだった。
いつものごとく、椅子はパイプ椅子なのだが、これもいつものことながら低く、どうやらリハ中に右足がツった・・・大誤算。
楽屋では、なんだか落ち着かず、真司さんも俺もイメトレ。俺はひたすら練習台を使ってダブルスストローク三昧していた。
アンコールでは、歌で参加させていただくことになったが、俺が用意してきたアゴゴではやはりどうやっても曲調に合わず、急遽真司さんがPETボトルを使って、シェイカーを手作り。自分達の演奏が終ってからは、今度は楽屋でシェイカー練習三昧していた。
久しぶりにがっつり合唱で、なじみの曲を歌わせていただいた。この合唱団で現役だった頃を思い出して…昔はこんなフレーズ、一息だったのになぁ、ぜぇぜぇ(懐かしがっている場合ではなかった)。

ウチアゲ。
「密かに思いを寄せている異性の隣席ゲット」、という俺が現役だった当時は合唱団自体も黎明期だったのだろうか。既に団内結婚、夫婦揃って歌っている、子どもが走り回っている、といったカオス。いい雰囲気の合唱団になったと思う。
当時の俺は(今も、か?)、精神的にヒッキーでもあったので、実は同級生に名乗られても覚えていなかったり…申し訳ない(特に、女性)。
アゴゴとシェイカーをなぜか会場に持ち込んだので、やたらに子どもになつかれる…子どもって、打楽器が好きだよねぇ。

ご来場いただいたみなさま、
裏方役で演奏を支えてくださった方々、
本当に、お疲れさまでした & ありがとうございました。