俺寄せ練習

大学時代、ある程度の規模の合唱団ならどこでもやることだと思うが、「愛唱曲集」なるものの編纂に携わったことがある。その愛唱曲集のパロディ版、がそもそもの企画として、宴会芸用の男声アカペラ曲集を、併せて作った。既に部内アカペラ・バンドで歌ってきた曲に数曲、新しく譜面を起こしたものを加えて面付け、両面コピーして普通のホッチキスで平綴じ手作業したもの。オリジナル・アレンジはまだなく、アカペラ自体がマイナーな分野で、当時からのアカペラ愛好者なら誰でも知っているようなアカペラのCDから採譜したものばかりだったが、その中に偶然、メンバーFUNEが歌いたいという曲の譜面があったので、古いものだったが掘り起こして持ってきてみた。
もちろんPCも作譜ソフトもない時代、全て手書き。上述のように製本も完全手作業のものなので、世界中でも10冊はないはずだ(表紙の色やデザインも統一フォーマットがあるわけでなく、当時のメンバーが思い思いに作っていた、ような気もする)。
前置きが長くなってしまったが、あまりに懐かしかったので。

今日の練習冒頭、声出し代わりに俺寄せで歌ってみたところ、曲自体はDoo-Wapテイストで難しいハーモニーではない代りに5声部だったこともあり、早々に一通り譜読みが終わるとそのうち、思いのほか興にのり出したみんなで、現代ではやや聞き劣りしてしまう部分を少し盛ったり、楽譜に書いていない音を加えたりし始めて、まさかに「これ、女声ボーカルでどう?」などといい出すメンバーまで・・・。
練習の録音を聞いていると、俺らの会話、改めて噛み合ってないよなぁ。
頭の回転力が、というよりは、ぼーっと違うこと考えているうちに、別のメンバー間で新たな解釈が、みたいな場面が多くて、結構な早さで会話が流れて行く。例えばメンバーそれぞれが、同じことを幾度も(結局ひとりずつに)説明していたりして(集中力がない、ともいう)。
そのうち、「エロがなければ人類は滅びる」などとデカいテーマについて語り出すヤツが現れたりして。俺にはせいぜい、「エロがなければITの進化はない」くらいのことしか思いつかなかったのだが。
今日の練習中、俺の笑いが止まらなくなって困ったのは、バラード曲のキメ部分にあるユニゾンで、まさかの乖離、だった。困ったねぇ。
けれどこのように、自分ひとりでは到底思いつかないようなアイデアや解釈が(音楽のハナシですよ)、他のメンバーから出てくるのは、本当に楽しい・・・つまり何がいいたいかというと、決して楽譜を持ち込んだ俺のせいではないことは、声を大にしていいたい。
すみません、ももこサン。
先日の「ゲソ集め」でお手伝いいただいた、ゲソ氏の待遇とは、良くも悪くも既に全く、異なった景色となっております。
というわけで演奏本番がひたひたと近づいてきている今日も、結局歌いたい曲ばかり歌ってたら(スタジオの練習時間枠が)終わってしまった。
どーすんのよ、他の演奏予定曲。
「これからデートぉ?」とみなに冷やかされつつ、盛大なお見送りを受けつつ、打ちあがりの陳麻屋を背に、独り駅方向へ。
地味に「反撃」されてるか、俺?(^^;

ま、そんなこととは全く別に、
元々メンバー全員の予定表を見て、隙間を縫うようにあいていた昨19日の夜に練習を入れるつもりだったのだが、関係者約1名から、「(予定表を更新していなかったのだが)予定が入ってしまった。他にないようならば調整してみる」との連絡がメールであったきり、結局調整はしたのかしようとしたのか試みたのかどーなったのか、ナシのつぶてになってしまったので、ひとり業を煮やした俺が無理やり、辛うじて自分があいていた日曜の時間帯に練習を設定しちまったのだった。
なので、練習終わりに、いつものように一緒に陳麻屋に寄る余裕が俺にあるわけもなく。