オペラ

というもの、日頃あまり馴染みがないのだが、縁あって。
取っておいてもらったS席、「6列」って、会場に着いてみれば、オーケストラ・ピットで前4列つぶしてるから、前から2列目じゃん。
そのオケは、かなり構成員が若い。打楽器女子、コントラバス女子に萌え〜。
終始圧倒されたのは、主役のパワフル・ソプラノ。
役付きの出演者は軒並みプロだが、同じプロでも、こんなに実力に差が出るものなのか。昨年、同じソプラノの方でモツレク(のソロ)を拝聴したときもそうだったが、これほどまでとは。
一方、恋人役のテナーは、かなり残念で(コンディション?)。終始、キーがさがりぎみで、声も比べちゃうからかも知れないが、高声部特有の響きが足りず、つき抜けてこない。
ふたりだけで無伴奏で歌い上げる部分が何箇所かあったが、テナーにつられると、改めて入ってきたオケと、素人でもわかるほど明らかに音程がずれてしまっていて・・・最終幕では、ついには主役が、テナーに合わせようとするのを止めちゃったのがわかってしまい、思わず笑ってしまった。
そもそも日本語でオペラを歌おうっていうのが、かなり難易度が高かったんだろうとは思う。ある程度オケに負けない音量で張り上げるには、原語とは母音を構成する響きが違いすぎるのだ。
肺病の設定で、楽々オクターブ跳躍とかしてるなよ、とベタな突っ込みも入れつつ。タイトルは有名だが、悲恋モノでしたか。
オペラでは、テナーって色男な扱いが多いらしいんだよ。同じテナーを歌い続けている俺自身のイケテナイぶりと、どうにも乖離してしまうんだが。
以上、不勉強なシロウトが、初体験したオペラの(勝手な)印象でした。
そんなジェットコースターみたいな体験だったけれど、恐らくはオペラ特有の過剰演出も含めて、話にはちゃんと集中できたし、十二分に楽しめた。

何よりプロと市民が一緒になって、これだけの大きなものを創りあげられるんだな。それ自体がすばらしいことで、夢中になる人たちがいるのは、よく理解できた。
まるで、一夜の夢を見ているような華やかさだった。

今宵の指揮者が主宰している合唱団員も仰山、客席に応援に駆けつけていたようだった。
そもそもこういうの(ロビー活動ってのかな・・・違)が苦手なんで、別に面が割れている、とか、割れて困る、とかいう立場ではないはずなんだが。
お誘いはありがたいが、今の俺はもっと「俗っぽい」ことに、それなりに忙しいもんで。