すみだストリートジャズ、出演前夜。

俺のちょっとした手続き間違いから、給料日に振り込まれてきた金額がなんと1万5千円!!
先月の家賃がぁぁぁぁ…また支払えません。
そんなことなど全く予期しないまま給料日前夜に浮かれていた気分の反動で、すっかり無気力な抜け殻白目状態。本当は14時からのジャズ・バスでの真司さんの演奏から、現地に顔を出すつもりだったのだが、結局すみだジャズ初日はどこにも立ち寄らず、16時、錦糸町カラオケ館に直行することとなってしまった。必要以上の出費は厳に慎まなければならない。せっかく年に一度の「祭り」の二日間だというのに。

一応、明日自らが歌うことになる会場には足を運んでみて、状況が昨年と変わっていないことを確認した。途中通りかかった会場では、我々と同じアカペラ・スタイルのバンドが演奏していて、大変盛り上がっていたが、今の俺には一緒に盛り上がるほどの気力がない。
それでなくとも音楽に関する俺の嗜好が、年齢とともにここ数年、自覚できるくらい変わってきており、最後はみんなで大盛り上がり〜、という予定調和にも、なんだか最近は反発を感じてしまう。
何よりイケメンな(あるいはそういう思い込みの芝居に長けている)人たちの演奏は、俺たちの演奏の参考にはならない。なぜなら大変残念なことに、俺たちにはそれだけのビジュアルの持ち合わせがないからなのだった(俺だけか?)。
駅の反対側に出たところで降り出した雨は、あっという間に驟雨になってしまった。
後にJamin’Zebステージ前でお会いしたアカペラ関係者のバーチーくん。彼のツイッターによると、この後、錦糸町界隈では虹が目撃されたらしい。彼は俺たちが一昨年末にソラマチ出演の折、主催者から指定された声出しエリアだったテラスで、偶然リハーサル中の我々の真下の階にいて、俺たちの声量に驚嘆していた人だそうだ。残念ながら明日は、サマソニに行くんだそうだが、ここまでお褒めのことばをいただいたんだったら、こちらはメンバー全員揃ってたんだから、その場で何か一曲くらい歌っちゃえばよかったな。

さて、練習。
さすがにカラオケのアンプにマイク4本もは刺せないので(それなりの機材を持ち込めば可能だが)、今日のリハーサルは生声対決。相変わらず誰かがクレッシェンドし出すと、一斉についていってしまい、ほどなく大声の張り合いになってしまう(^^;ので、狭いカラオケルーム内はほどなく男の声だらけ。マイクを使っているときよりも、つい響き多目になってしまうので、音程の修正のしかたも違い、転調後のキーのズレ方がいつもよりも大きくなってしまっていたが、逆に音程の即応性みたいなものが身についたような気がした、のは俺だけか。
トップとバリトンの音程が乖離してしまったところでFUNEが、「仲良くしようよぉ」と真司さんにいっていたのには、思わず笑ってしまった。

今回のプログラムには、珍しく男声合唱曲(「北極星の子守唄」)が入っており、俺寄としては新曲であることもあり、まずは念入りに「棚卸し」大会。俺は「先を考えないrit.」というオトナゲないテンポ変更をして、メンバーを混乱に陥れる。テンポがめまぐるしく変わる曲なので、息を合わせるためにはちょっと大げさにやって、「平常心」(笑)に戻れる練習をしておく必要がある、というのはもちろんその場思いつきの言い訳だ。
別の歌い慣れた曲で、全員がまさかの歌詞トビを起こし、一部メンバーの気分がブルーになっちゃったらしい。聞けば「直前の練習で起こったことは、本番でも(きっと)起こる」、と思い込んでおり、一方で俺は「今、間違っておけば本番で同じところは間違えない」、と思っている。
かように本番前の練習は、気分がオチるような指摘はお互いにできるだけ避けつつ、前回の練習までで仕上げてきたことの繰り返しを身体に覚えこませることが中心なので、あまり細かいことはやらない。ここへきて欲を出しても仕方ない、前回の練習まででできたこと以上のことが、急にできるようになるわけはないのだ。万が一、俺だけが偶然にも何かしら、野球でいうところの「魔球」みたいなことができるようになっちゃったとしても、演奏は4人一体で紡ぐものなのだ。ついてこれない3人がどうの、という話ではなく、良くも悪くも俺寄の演奏は「4人が創る音」、ということだ。
というような開き直りができるようになって以来、俺は本番で緊張しなくなったような気がする。
「Surfer Girl」を復習し終わったところで光法が、これで〔春:さくら、夏:Surfer Girl、秋:あかとんぼ、冬:The Christmas Song〕がレパートリーにあることになったので、一年中安泰(何が?)だな、という。俺が、音楽営業の必須アイテムとしてはブライダル・ソングだけがないのではないか、と返すと、誰ともなく、「月とナイフ」でも歌っとくか、というが…ちが〜〜〜う! 「間男ソング」だから。むしろアレだけは、マズいだろう。