俺たち寄せ集め at J’z寄せ

フタを開けてみれば、名古屋に来る前のメールのやり取りにやや立腹だった自分はどこへやら、メンバーの顔を直接見たら、俺自身にもやる気スイッチが入ったのか、「大人げなさ担当」の俺よりオトナなメンバーにも助けられながら、無事終演。
今回は2バンド交互出演、というか「J’z8⇒俺寄(休憩)俺寄⇒J’z8」という、ゲストというよりはほぼ対等、俺たちにとっては主催ライブ同等の大掛かりなイベントになっており、何よりフタをあけたら満席のお客様。自ずと気合が入る。
ステージでのランスルー、リハなどもそれなりに大掛かりなので、逆にJ’z8さんがこれらに入っている間、かなりの時間的余裕があった。お陰でいつもに増して長丁場に備えた、入念な声出しができたせいか、ここ数年では個人的にもベスト・コンディションだった俺。終演近くでは久しぶりにBまで実声で出るほどの勢いになっていた。
それにしても、ノン・アルコールの客席もなんだかとっても、久しぶりだ。
俺たちのリハーサルは、慣れない広さのステージ上での立ち位置決めと、照明さんとの打ち合わせ、といっても特にこちらからは指定していないので、流れの確認くらいなもので。
なにせ大きな会場なので、いつもより少し大きめに動いてみようと、確か“I’ve Got Life”だったと思うが、いつもの立ち位置とは正反対の位置まで歌いながら移動し、曲中で戻れなくなっちゃったのだがまぁいいか、と思っていたら、メンバー全員から苦情、猛反発(笑)。それじゃ、コーラス隊としての立ち位置やフォーメーションが組めない、ということらしく…すまん。
俺は本番でも、どちらかというと「隙あらば」で、その場の思いつき、というかノリで動いてしまうことがよくある。曲想や場の雰囲気に合った動きになっているかどうかは、自分なりに考えているつもりではあるのだが。
俺寄せの場合、予めの決め事でない分、メンバーぞれぞれが自由に動けることと同時にハプニング性もお客さんと一緒に楽しむ趣向になっており(^^;、実は、それでこその「ライブ」ではないかと思っていたりする。
しかし、今回のような大掛かりなホールだと、PAや照明さんにもご迷惑をかけてしまうことになりかねない。今回は“Birdland”の演奏中に会場の盛り上がりの勢いを借りて、ひとり客席まで降りてしまった。
また、休憩を挟んだ2回目のステージ前に今回PAをご担当いただいた「大山いいんちょ」から、「不具合ありませんか?」とお気遣いをいただく。J’z8の演奏でもMCの際にみゆきさんがステージ上でおっしゃっていたのだが、特定の周波数帯でスピーカーがびびっている感じがあって、自身が歌ってみた「月とナイフ」のキーから推測するに、どうやらA♭あたりで音がうなっているようだ。リハではもちろんこんなことはなかったので、想定外にお客さんが入ったからこその嬉しい悲鳴、というかトラブルだろう。
そのように告げたら即対応してくれたらしい。お話ではどうやら外音では唸っていなかったようなので、(いつもより)広いステージ上のモニタースピーカー同士が干渉していたのかも知れない。
我々演奏者が、かようにいいたい放題、やりたい放題ができる本番環境というのは、仕掛けが大掛かりになればなるほど、こうしたカクテルライトの当たらない場所の様々な裏方、「縁の下の力持ち」な方々のお陰なのだ。ありがたいことに今まで、会場や担当者が変わっても苦言をいただいたことは一度としてなく、その手腕と心意気には毎回、心の中で最大の感謝を捧げさせていただいている。

演目の中に今回急遽放り込んだ、“Get Ready改”。
ここ数ヶ月、例によって俺の心に溜まった「滓」*1をぶつけた結果だが、もっと凝ったものになるはずが元歌部分を流用しすぎちゃったので、最終的にはコード進行までも無視したAメロ、アレンジ、ともいえなくなってしまった。逆にコーラスのコードを無視して歌うことになったリードが、演奏してみると結構大変で、リードに割り込まれる格好になったコーラスはコーラスで、元歌を維持しなければならず、なんだか「喧嘩アカペラ」、な曲調。なにぶん、あの有名な(?)アカペラ版のGet Readyをご存知な人でないと笑えないので、今回のお客さん向き、と思ったのだが、当日になって、若者はむしろ“TOKIO*2を知らないのでは、という疑義がメンバーから出され、実際その通りの結果に終わったようだ。
まぁ俺はStuck時代以来となるあき姐との共演で、“Close To You”で、目線あわせて歌えたからいいか。いったい何年来の「遺恨試合」だぃ(笑)。
というわけで、J’z8お目当ての方々にとってはかなり異色、というか真逆だったはずの俺寄の演奏も、え〜い一緒に楽しんでしまえ、という懐の深い名古屋のお客さんにすっかり乗せられて、俺たちの方が楽しませてもらっちゃった感じの、とても幸せなライブになりました。
本当にありがとうございました。

*1:世間ではそれを片思いのあげくの勝手な失恋、という

*2:なんと作詞は糸井重里さん