ひとり供養と、成田の梅。

今日の(当初の)目的はコレ。
成田山で観梅、だったのだが、宗吾参道の車庫が通り道とあれば、寄らないわけにはいかない3300系供養。もしかすると既に、見るに耐えない状況になっているかも知れず。あるいは庫外からは全く見えないかも知れない。
不確定要素が多すぎるのだが、そこはあまり過剰な期待はせず、あくまで成田山への途中下車ということで。
宗吾参道駅を降りると、以前一度だけ来たことがある道を、駅から歩く。やがて周囲に人家も少なくなり、開放的な気分。
3300系は、運良く金網越しに見えた。


解体作業は始まったところらしく、車内の擬装の一部とクーラーキセが外されていた。
コーポレートカラーの赤と青の帯は、青みがかったグレーの地色にこそ絶妙なバランスで、ステンレスカーだとどこかオモチャっぽくなってしまう。どっしりとした重さの鋼体ボディは、今や数少なくなってしまった、いかにも「電車」という感じ。

わずか数年前のことなのに、線路脇の景色にあの頃の自分を重ねて思い出したら、うっかり涙腺が緩んでしまった…本当にもう、二度と走ることはないんだな、という「実感」に行き着いた。

実は構内に大型トレーラー・トラックを数台発見。ボルスターのついた特殊な台車を積んで止まっていたので、まさか譲渡搬出か、とひとり色めきたったのだが、どうやら庫内に見えた整備中の「こいつら」の、搬出用らしいと判明した…こんなところで整備してたんだ。


情報過多な時代、こういう予期せぬ出来事がいちいち楽しい。専門誌には最近、廃車回送や新車輸送まで、運行時刻が公表されているが、予期せぬ出会いが楽しいので最近は出かける際にあまり事前の情報収集に熱心ではなかったりする。
今回はそのまま、広大な車庫の上野方へ歩き抜けて、いい感じの踏み切りを見つけた。

この先沿道にはベンチがこしらえてあり、線路沿いに桜並木になっているのを発見! 開花が楽しみな撮影場所をまたひとつ。


よく見ると一輪咲いていたが、一輪だけだと「開花宣言」にはならないんだよな…基準木でもないし、どっちにしてもダメか。
このベンチを拝借して、途中のコンビニで買ったおにぎりで昼食。
「ひとり供養」も無事に済ませることができたので、駅へ戻って成田へ。

このあたりでは大手私鉄といえどさすがに本数が少ない営業車の合間を縫って、回送車の入れ替えやAE車の出入りがあったりして、車庫は、鉄道は今日も力強く動き続けて、日々移り変わっていく。