俺を呼ぶのは、誰かいな?

何やかやで家を出る時間がいつもより遅くなってしまった朝、社の送迎バスというものを、異動後初めて使うハメになった。
先月の「異動」による別れ難き気分を「有効活用」してくっついたカップルが、ホラ、そこここに。顔見知りがほどよくバラけたので、顕在化しただけかも知れないが。
いいよなぁ、若者は。
というかこれだから朝の送迎バスを使うのは、憂鬱だってーの。
第一今の俺には、こうなるまでの「段取り」こそがすっかり、面倒くさい。

そんなこんなで出勤すると、「クララ、いい知らせと悪い知らせがあるよ」。
…今、テレビで流れている、あの「家庭教師のトライ」のCMみたいだが(笑)。
まず、悪い(?)知らせの方。
見るともなく掲示板のシフト表を眺めていたら、通りがかったチーフから「明日から、■■へ異動ね」と念押し。…改めて見直すシフト表にも、部署名の文字(通常は出勤の○印)。
このときは、まぁ応援部隊だろう、くらいに思っていたが、「(繁忙期の今)阿仁さんがいなくなるのはかなり痛いけどね。いつでも戻ってきてね」…をいをい、大変ありがたいおことばだけど、何だってそんな悲壮感(笑)が漂ってるんだよ。え、正式な異動なの?
シフト表上では同様に異動印になっている人が数人あって、俺としてもこの状況でこの人数が異動しちゃうと、残された仕事量がちょっと心配ではある。
終礼でも仰々しく送り出されてしまい…え、本当に正式異動なの?!

朝礼、終礼、部署によって異なる休憩時間のタイミング、一日の仕事のリズム。
何よりも顔見知りになってくれた方々…明日からまた全〜部、一旦白紙から…なのか俺? お陰でようやくこの現場になじめたのになぁ。
「お世話になりました」といってくれる同僚に、あまりに急な話に俺自身すっかり戸惑っており、咄嗟にことばを返せない。
リーダーからこっそり、のど飴をもらった。丁度作業の手が離せなかったのでその場では口に入れず、駅に向かって歩いているときに思い出して口に入れた。なんだか切ない味がした。
丁度1ヶ月、みなさん本当によくしてくれました。ありがとう。

異動先の上司は俺の想像通りなら、一連の異動前の親分のはずだが、だとしたらまぁ俺にとっては願ったり叶ったりでもある。しかしいったいどんなマンガだよコレは、という人生展開だな(久しぶりに「パトレイバー」を読み返しているもんで)。

で、「いい知らせ」の方。
どうやら7月から、給料が若干上がるらしい、との噂がスタッフ間で飛び交っている。
いったいどっからそんな噂を仕入れてくるんだか。
それにつけてもうちの会社って、モチベーションが上がるような情報は遅いんだから、という反応を返しておいた。
今日もいろいろありすぎて、なかなか退屈させてくれない人生だ。
明日はさらにどんなことになるやらわからず、さすがに今夜は早く寝ることにしよう。