2015年の年末に寄せて

運良くデスクワークに転向したはずなのに、なぜか軽い腰痛。 ====
あまりに急速に、力仕事じゃなくなった反動、だろうか。筋肉バランスが崩れてきてしまってるのかも知れない。いやいや、急激に肥える前兆、かも知れない(笑)。
久しぶりに院長先生のところへ、行ってくるとするか。

今年も何かと、「音楽(活動)との付き合い方」を考えさせられる1年だった。
生活そのものが安定しなかったこともあるが、俺はいったい、仕事と音楽活動と、どっちをどうしたいんだろう? …って人間まずは、何をおいても食い扶持だろうけどな、フツーは。
扶養家族がいないのをいいことに、「社会的な立場」関係ではかなり無茶をした一年だった。
大学でみんなと同じように就職活動をして、運良く卒業して営利企業に勤めるか公務員になっており、健康状態に何の問題もなくこのトシになっていたら…今の俺はいったい、どういう人間になっていただろう。
実際には、そんな絵に書いたような平穏な人生を送ってる人たちなんか、いないわけだけどな。
それでも俺が学生だった頃くらいまで、父の世代だったら当たり前に思い描いていた、ひとつの職業を全うするような社会はもう来ないかも知れない。
前職を辞めることになってこの2年ほどの間、様々な現場で知り合って俺によくしてくれた仲間たちは、今も同じ海風の吹き込む境遇の中で終日立ち仕事をしている。俺は運良くまた、こうして空調の効いた部屋で椅子に座ってパソコンを叩く仕事に戻っているが、支払われる人件費はそれぞれ、本当にこのままでいいのだろうか? などと考えてしまう。
今の社会の「全体」といわれる状況を、少しは直に肌で感じられたような気がする。
俺が俺としての、アイデンティティを獲得するために必要な心の持ち様、みたいなもんだったんだろう、多分。

今度の俺の職場は東京、ということで、一時は家族や知人の間でなんだか、俺が東京に居を戻すのではないか、という「外堀」が埋まるような憶測が流れたが…俺自身はまだまだ千葉から転居するつもりはなく、ようやく得ることができた「健康体」とともに、ひとり身の自由を謳歌するつもり。

しかし一方で、音楽活動のペースは激減してしまった。
千葉に来て会社員やってた当時は残業続きで、退職の直接の理由となった仕事内容ももちろん、今まで通り音楽活動に時間を裂けなくなっていたのが辛かったもんだ。
仕事を1年であっさり辞めたら、今度は経済的に身動きが取れない状況になってしまった。
人生、うまくいかない。
数年前までの俺だったら、アカペラの機動力こそが生かせない、今のこの状況に地団駄を踏んでいたところだろうけれど。
何より、一緒に活動している仲間はこの間も粘り強く、俺と縁を切らずに付き合ってくれた。多くの魅力的な演奏機会へのお誘いを断るのは、本当に忸怩たる思いだったが。
そんなこんなも含めて、今の俺の音楽表現がある、と思うから。
俺自身はその昔、活動頻度が下がることが嫌で、バンドを解散しちゃったことすらあったというのにねぇ。全く、勝手なもんだ、俺という人間は。

先日Cotton Podの演奏を拝聴して以来、かつて一緒に歌っていたゆたかさんと会えたりしたこともあって、俺の中の「年末モード」のスイッチが入っちゃったらしい。やはり「天使の絵の具」がアレだったか、音楽の不思議な「副作用」。
俺に限らず日本人は、年末になるとクリスマスの乱痴気騒ぎとともに、なんだかしんみりと越し方行く末を思い返してみたりするみたいで。
それにつけても、
はっきりいってこの時期の、街のイルミネーションにはすっかり飽きたねぇ。テレビも誰が見たいのか一斉に特番編成になっちゃうし。なんて話を整体の院長先生としていたところ。
チキンやケーキやプレゼントを買って、一緒にいたい「大切な人」、がいる人ばかりでもあるまいし…。
果たして、みんながみんな同じなことだけが、「幸せ」なのか(GDP値が上がることだけが、幸せの方法なのか?)。
そんな人生のテーマまがいなことも、ようやく見えてきた2015年。

それでみんなが幸せだったら、まぁいいか。
世の中には、まだまだ俺の学生ノリの想像力程度では思いもよらないことが、これからもたくさんあるんだぜ(多分)。
例えば、今日も近所のスーパーで見かけた、試食を勧めてるあの女性。
両親に結婚を反対されちゃったので駆け落ち、ところが夫のDVが原因ですぐに離婚、今に至って「天涯孤独」、だったりする…かも知れない(複数の知人の過去で構成してみた実話です)。

というわけで2015年は俺にとって、同様に個人的にいろいろと雑多だった2008年(笑)とはまた別の、忘れられない激動の1年でした。

更に最後に、陳腐なもの言いですが、
毎日俺の拙い日記にアクセスしてくれて、ありがとうございました。
ときに自分でも読みたくないような長文を、ちゃんと読んでくれている人がいる、たったこれだけのことで今年、幾度気持ちが救われることがあったか…やっぱ心、弱ってるんかな、俺?(笑)

それではみなさん、よいお年を。
(29日にTanto Guts@池袋・エールハウスで会える方は、直接お会いしましょう。)