京成津田沼界隈

自分のための記録、年末編。

前職の就労期限が15日に迫った12月7日、

仕事が休みだったので、バスの定期券を活用して、職場の先の海浜公園まで行った。
駅ビル「サンロード」(あれ?)内には、大きなコッペパンがおいしい「マッターホルン」というパン屋がある。コッペパン(メンチカツ)とウインナー揚げと栗アンパンを買い、駅前の東武ストアでビールを買い込んだ。
それでもバスまで少し時間があったので、商店街(の残骸)を少し散歩していたら、黄金色の銀杏が強く存在主張している「東漸寺」を発見。こういう偶然が、散歩の楽しみだ。門の左脇には立派な鐘楼もあり、今年はここまで来れば除夜の鐘の音が聞けるかも知れない。裏手には墓地があり、商店街側からはわからないほど広大なものだった。


そもそも

京成津田沼駅とJR津田沼駅は1kmちょっと離れている。徒歩ではなく、京成津田沼駅から出ている新京成線の「新津田沼」駅まで一駅乗ってから、徒歩連絡している人が多い。新津田沼駅にはイオン・モールとヨーカドーがあり、JR津田沼駅の賑わいようはいうまでもないが、京成津田沼駅は市役所への最寄り駅ではあるものの、子会社である京成バスにも見放された寂れようで、俺のように「海側」への通勤者のため、朝夕は駅に寄るバスもあるが、それ以外の時間帯、特にJR京葉線方向からのバス路線はなぜかJR津田沼駅への直行便ばかりになってしまう。
JR駅側は住宅街。
駅反対側の市役所側駅前では、南行するバス通りを挟んで商店街が続いており、その名も「わいがや通り」。元は昭和一桁の時代から続いていたという銭湯「みはし湯」が廃業してからは、町興しのイベント拠点として不定期にコンサートなどが行なわれていたりして、活性化への努力もされているようなのだが、そこはかとなくシャッター商店街なムードが漂う。恐らくは駅前に東武ストアが開店した以降、商店街にあった個人商店は不動産屋、学習塾、そして飲み屋ばかりになってしまったらしく、昼間はまるで活気が感じられない場所になってしまった。
市営のコミュニティ・バスが2系統乗り入れているのだが、例えば川越の事例のようにJR駅との間だけでも折り返し運行を増便し、料金も割安なものに設定するとか、根本的なインフラ整備から行なわなければならないような気がする。

その商店街で目にしたのが、写真のポスター。
13日に駅前広場で、イルミネーション・イベントとしてコンサートを開催、というもの…これはなかなか、レアな情報にめぐり合えたぞ。


平日昼間、バスで終点まで乗ったのは俺ともう一方、お年を召した女性だけ。
終点で降りたら話しかけられたが…宗教勧誘だった。
海浜公園は、東京湾離れした広大な海が広がる景色。
強面なのにやたらと人懐こい猫と遭遇。俺は既に食べ物をもっていなかったのだが、何故か寄りついてくるんだ…。


で、その13日。

コンサートが始まる時間帯まで、同様にバス定期券を活用して、職場とは反対側の終点までバスに乗ってみることにした。
あいにくの天気で、特に午前中は霧雨が降っていた。
東金街道を少し入った、元は正福寺の境内

だったという市道脇には、みごとな銀杏の木(習志野市天然記念物指定)が残されている。樹齢約400年、目通り幹囲約4mとのこと。

子安神社まで散歩。近くには藤崎堀込貝塚、などというものもあるらしいが、これは住宅街の中らしく、今日は地図を持参していないのでまた改めて。

バスに乗って京成津田沼駅へ戻ると、とっくにコンサートが始まっている時間だった…のだが、いつも通りの駅前の光景。どこにも「お祭り」な賑わいはなく、狐につままれた感じの俺。日時を間違えたかと、慌てて掲出されていたポスターを見に行ったくらいだ。「雨天中止」とも、書いてないな。
地元に知り合いでもいれば、もしかしたら事前(か当日でも)中止の報が入ってきたのかも知れないが、あいにく俺には知人もなし。
帰宅してから、主催者と思しきホームページもみつけたが、その後も特に「中止」のお知らせなどが掲載されることはなかった。う〜ん…。
昨年の地域イベントで、開催に漕ぎつけるまでの主催者とのやり取りの間、何かと愚痴っていた俺に、知人が「地方のイベントなんて、まだまだそんなもんですよ」と諌めてくれたことばを思い出していた。現場の方々のご苦労は、俺自身も幾度かイベントの企画・運営を経験しているから、わかるのだが…。
ともあれ今回は、ドタキャンを食らう「出演者」側じゃなくてよかった、と思うべきか*1

前置きが長くなったが、大晦日

朝起きると、アタマの中にミスチルの「HERO」が鳴っていて、止まらない。
誰かのHEROになりたいのか、俺?
いったい誰のHEROに、なりたいというのだ、俺?

かねて企ての通り、今年こそは地元(?)で除夜の鐘。
芸能人救済番組ばかりになってしまった年の瀬、テレビのケーブル線は数日前に引っこ抜いてある。静かな大晦日、ひとりの部屋。
こんな時間だけが、今やわずかに残された正月を迎える気分か(最近はスーパーとか、元日から通常営業だし)。

夕食後になって毎年の習慣で、年賀状を書く。
朝からずっとな「HERO」のループをアタマから追い出すためにも、なぜか今夜のBGMは、ペンギンフィッシュで唯一作成したCD音源。
1時間ほどで終わってしまい、「生活破壊兵器(=炬燵)に搭乗」したまま転寝していたら、倉庫街での元同僚からメール着信。「今、カレシの家」なんだと。のろけやがって(笑)。

23時過ぎになって、いつもならそろそろ終電、という時間帯だが今夜は京成線でも終夜運転京成津田沼の東漸寺へ。この辺りではさすがに上野方面よりは成田山へ向かう人の方が多いらしく、ガラガラだ。
境内には鐘楼を中心に、灯りがともっている。鐘を撞きたい善男善女が三々五々、集まってきて行列を作っている。
俺は近くのポストに、さっき書いた年賀状を投函した。
というわけで、ようやくめぐり合えた数年来の、除夜の鐘の音。
撞き方にはコツがいるようで、善男善女の音にはバラツキが。強すぎると簡単に音が割れ、弱すぎると鳴ってくれないものらしい。俺の好みでいうと、ちょっと音が高めかも。
間近で聞く鐘の音は、余韻たっぷりで、もっと間隔を空けて(余韻を楽しんで)撞いて欲しいのだが、みな揃ってせっかちなのは現代風か。
自動車のない時代、このちょっとした高台で鳴る鐘の音は、どの辺りまで聞こえていたのだろう*2


部屋に戻ってからは、ゆたかさんからのメールに改めて目を通す。再会を喜び合える人がいる、そのことを噛みしめられる一年のはじまりが迎えられた我が身の幸せ。
「家族で年越しそば」、の件がちょっとうらやましく、冷凍庫に入れたまま忘れていたうどんをさっとゆでて、ビール飲みながら、自然に眠気を催すまで、去年・一昨年の正月あたりの、自分の日記を読み返していた。

*1:例えば、大阪からメンバー呼んでてコレじゃ、申し開きができないよな。

*2:年が明けてから実家に帰ったところ、近所の寺では除夜の鐘撞きをやめてしまったという。近隣住民から苦情がきたらしいという地元の噂だが、だとしたらなんとも無粋。