ふなばしミュージックストリート写真展

去年はお知らせメールをいただいたときは、俺自身の予定が埋まってしまっており、見にいけなかった。

まぁ俺らは今もって船橋では「完全アウェイ」なバンドで、前回も当日の演奏中に写された記憶もないし、俺らの写真が展示されていることはなかろう。加えて今年は個人的に、現時点でもう応募する気が全くわかない。モチベーションが、限りなくゼロだ*1
とはいえ特に予定のない平日休み。この、地元大催事と俺との関係性に、一旦気持ちの区切りをつけておくことにするか。
会場は勤労会館。船橋駅から続く狭い路地は、以前「海の男」時代に同僚が教えてくれた、村上春樹さんのエッセイに出てくるような古さと雑然さを残す商店街。まだこんな一角があったのか。

館内に入って、エントランスから展示会場への短い階段を登ると、受付からショートカットの女性が挨拶の声をかけてくれた。
「当日、(演奏を)ご覧になった方ですか?」との問いかけには咄嗟に「出演者です」と返してしまったが、ここは本当のことをいわなくてもよかったような気がする。

それまで、俺はアンケートなり備え付けの雑記帳なりに、
「(せっかく来たのに)自分たちが写っているものがなかった」
というくらいのことを書いて帰ってくるだけ、のつもりだった。
だが実際に会場に足を運んで、こうして大伸ばしされた写真を拝見していたら、元々俺自身が写真好きなこともあるが、一枚一枚が客席と一体となった盛り上がりの瞬間を、熱く伝えてくれる迫力をもった「作品」になっていた。
そもそも、「自分たちが出演していた」という記録に留まるような展示会ではないのだった。
こういう、自分の心持ちが意図しない方向に突き動かされる体験こそが、いくつになっても嬉しいものだ。それが文化や、俺の好きな芸術に触れることがきっかけだとすれば、さらに好ましい。
無意識に「見返り」を求めていたような自分が、ちょっと恥ずかしくなった。

何かと大きなイベントが多くなる秋10月。
出演しようとする側としては毎年、第●日曜日はふなばし、といった風に固定しておいてもらえると、何かと多忙なメンバー間の日程調整もしやすいのだが、との「リクエスト」も、もうひとりの男性スタッフの方にお伝えすることができた。
運営スタッフにお伝えいただける、ということだったが、自治体関係者との調整が必要になるので、(役所仕事の経験者たる俺としても)なかなか難しいこととは思う。

*1:運営側の落ち度とか、要望がある、とかではなく、あくまでもバンド内事情