池上本門寺への道。


「500個の風鈴の音を聞く」、が明日までだったのに気づき、慌てて駆けつける。
今日の俺の、メイン・テーマ。
と、その前に。

昨夜のビールは悪酔いにならなかったようで、何の苦もなく9:30には起きて、

午前中に整体へ。

間に保険証の切り替え期間を挟んだので、ほぼ1ヵ月ぶりになってしまった。

そういえば7月上旬は臨時休業のお知らせが出ていたけど、と話を向けると、院長曰く、
「入所してた(笑)」
をいをい。
持病の手術だったんだそうで、それも本来なら一両日くらいで済む簡単なものだったらしいが、心臓にも持病があったので、薬の組み合わせを試しながらの施術になったらしい。
入院の理由が、
「性格と態度が悪かったから(笑)」
って、面白すぎるので、ここにメモ。
俺も咄嗟に、
「(心臓に)毛が生えてる、の方かと思った」
くらいは言い返せるようになりたいものだが。
俺自身は昨年まであれだけ「海の男」とかいって無茶してた割には、アトピーと腰痛(の恐れ)以外、お陰さまで健康だよなぁ、今のところ。

それから懸案の、

市税課へ。

と、「本決戦」の前に昼食を済ます。腹が減ったままの俺は、イラついて何を口走るかわかったもんじゃない。

津田沼で「サンロード」というと、ここ。
京成津田沼駅の「マッターホルン」(パン屋)で一旦、ビバーク

市税課の窓口担当は、俺の記憶が正しければ偶然にも前回と同じ方だった。
今回は、左手の薬指に指輪がなかったようだったが…。
タチの悪い納税者に、「税金で食ってる癖に、あんたらは優雅に結婚生活か」などと噛み付かれでもしたか?(これは前回、俺がいいかけたことだったり…口にはしなかったけどなさすがに)
「前回の手続きにみえたときには、失職したとのお話でしたが…」
と切り出してくれたので、その後の職歴・経緯を簡単にお伝えし、再び分納の契約を交わすのであった。
俺の目論見どおり給料があがったら、ちゃんと払うからね(という意思表明だけはしておく)。
今年の(情けない)俺の、密やかな目標。

先ほどの整体の院長先生は自営業なので、恐らく俺と同様、市税分納の経験があったのだろう。
俺の年末調整の話をして、この国の「最低限度の生活」の基準がおかしい、といったら、
「(窓口の担当者に)そういってやれよ」
であった。
仮に学生時代にアルバイトをしたことがあったって、扶養家族だったら年末調整の申告経験はないだろうし、そのまま公務員試験に合格、就職、となれば、そういった世の中の仕組みは書類上でしかご存知あるまいな、窓口担当者は。
健康保険や年金の書き換えはここではできない(そりゃそーだ)と、まったくにべもない縦割り行政。
いまさら窓口の人間に愚痴ったところで、この程度では上に伝わって制度が変わる、などということはない、ゆるぎない「官僚制」。

建て替えによる取り壊し前の旧市庁舎前には池があって、きれいな蓮の花が咲いていた。俺が庁舎に来たときからずっと、立派な三脚とカメラを担いだ高齢女性が、熱心にカメラに収めている。

ここでようやく、気晴らしも兼ねて

本門寺・風鈴祭りへ

足を向けた。

昨日の豪雨を思えば、曇りでも風もあって、悪くない陽気。
前回同様、参道裏手からの長い坂道を登る。木陰もあり猛暑というほどでもなかったので、日蓮上人を荼毘に付した場所に建てられたという巨大で真っ赤な宝塔を遠目に眺めてから、本堂へ。

本行寺を経由するこちら側の道は初めて入り込んでみたが、独特の趣きがある。高台から見下ろす街は決して美しくはないが、斜面ごしに見上げる墓地は、ここが本当に都内なのかと見紛う光景だ。
住宅地から吹き上げてくるはずの、エアコン排熱風を伴った風は、杜を吹きぬけるうちに冷やされるのか心地よく、風鈴を美しく鳴らす。本行寺で竹林ごしに掛けられた風鈴はガラスだったが、それにしては耳にやさしく、風鈴に描かれているあさがおや金魚、花火や月夜がガラス越しに透けて見え、目にも愉しい。
退屈も暑さも憶えないまま、本来の風鈴会場である総門上の広場に到着。

もう明日が最終日ということで風鈴がいっぱいに吊るされており、残念ながら風鈴につけるセルロイドの短冊を書かせてくれる「ワークショップ」は終了。

今年は動画記録を試みてみたが、控えめな青銅の風鈴の音は都会では心もとなく、カラスや蝉時雨は仕方ないにしても、都会の喧騒、車の音と行き交う人たちの雑談にかき消されがちで煩わしかった。しかし、オバチャンたちってどうしてツルむんだろうなぁ…(騒)。
思い思いに彩られた、様々な願い事の短冊を読ませてもらった。中には日本語ではないものも。

17時までを目処にゆったりとした時間を過ごすと、西馬込駅へと来た道を下った。
途中でビールを買いたい、のをぐっとこらえる。
どうせ明日、別称「ビール祭り」(バンドの練習後)で、みんなとまったり飲めるんだし。