広島の日。


布団の中で粘ってみたものの暑さに負けて、9時には起き出した土曜日。どこの病院に行こうか迷った末、結局近所の眼科へ。
火曜日から右目の視界がぼやけるようになり、10年以上前に実家近くの眼科で診てもらった際には飛蚊症に関しての注意も受けていたので、気にかかる。
気になるといえば、個人医としては不似合いに思える巨大な建物。外からは計り知れなかったが、ひとたびドアを開けて入った途端、待合室の大混雑に、一応納得。医師としての近所の評判も、悪くないのだろう。
そういうわけで相当待った上で名前を呼ばれて、まずは視力検査から。
俺はあの、「見えません」というのが、何かコチラの落ち度を指摘されているような気がして、どーも苦手だ。学生時代に授業で指名されて「わかりません」と答えるのと同じくらいの、屈辱(笑)に思える。
診断の結果は、アレルギー性結膜炎からくるドライアイだった。
まぁアレルギー体質は、筋金入りだから。皮膚炎から鼻炎から結膜炎から…小学校で健康診断なんぞあろうものなら、それはもう毎度「赤紙」(要通院通知)だらけだったもんだ。
実は今まで、「目が乾く」という感覚が解らなかったのだが、今回の一連の症状のことをいうらしい、ということも解った。
初診料、検査費、診察費、その他諸々の請求書明細を見て再び納得。なるほどこれだけ巨大な建物が建つわけだ。
しかし院長改め理事長先生の診察は、ひとりひとり患者さんの生活実情に即した丁寧な説明を心がけておられるように感じられた。一方、広い検査スペースを兼ね備えた診察室でもうひとり診察に専任されている先生とこの理事長先生とのやり取りは秀逸で、まるでマンガをみているように面白かったりする。

処方箋薬局には後で寄ることにして、限られた午前の診察時間中に整体院を済ますことにした。久しぶりの仕事休みが「医者のはしご」のようで、気分が冴えない。
その整体院では院長先生いわく今夜の千葉は、花火のアタリ日だとか。
俺は先日の「隅田川作戦、あえなく撤退」に懲りたので、今夜は自宅から見える幕張狙いだが、佐倉と習志野駐屯地も今夜だとか。
そういう話を聞いちゃうとなんだか気になる、駐屯地一般開放日。日頃(今日も)ミリタリー的なものを身につけているからといって、実はそれほど兵器類に興味があるわけでもないのだが…当然、戦車などの展示もあるらしい。花火は今夜(荒天による予備日が明日)だが、祭りは明日曜日もやっているとか。
まぁ結局、この暑さに負けて行かなかったんだけどね。

19:30、部屋から幕張の花火を眺める。
さすがにそんなに大きく見えるわけではないが、アルコールに弱い俺としては、こうして缶ビール片手に眺めていて、動きたくなくなっちゃったらそのまま布団にダイブ(^^; というのが、どれ程有名な花火大会に足を運ぶことよりも、ありがたかったりする。
しかしこの絶好のロケにも関わらず、今年も隣の学生さんが留守なのは、やはりカノジョと「現地」に赴いているから、なのだろうか。

日本では、1時間にも亘ってこうして火薬が空中で炸裂していても、誰ひとり、即座に身を守らねば、などと思う人はいない。
彩りだけでなく、火薬の音も、夏の風物として感じることができる幸せ。
当たり前になりすぎてしまいこのところ、それを守る努力を怠りすぎてはしないか。
そんなことを想う、広島の日。
シメの大玉が、大きな音をたてて天空に開いた。
ゆっくり、ゆっくり、火花の大輪はまるで巨大な生き物のようにふりかかり、夜空に溶けるように消えると、辺りには静けさが戻った。

戦後71年目に判明した事実。
軍が作成した原爆投下の指令書には、当然あるはずの大統領トルーマンの署名がなかったという。
今夜のNHKスペシャルで観た。