というわけで、阿佐ヶ谷でCotton Podのライブ。

遠く名古屋を思いつつ、関東は曇天の土曜日だった。
洗濯をしようと窓を開けたら、くしゃみが止まらなくなった。もう少しで5月だというのに、まだそれなりの量の花粉が舞っているらしい。
週末のまとめ家事が予定通り片付いたところで、(給料日前で財布の中身はあまり優れないが)気分よくCotton Podのライブへ足を運ぶことにした。

トップバッター「のほほん倶楽部」さんは、ギターと女性ボーカルのユニット。
全体として、まさに「名は体を現す」空気感の演奏、だったがアウェイな空気にすっかり呑まれてしまっていたらしく、ご本人たちにももしかすると忸怩たる思いの残る演奏だったかも知れない。
こちらも生演奏を楽しむ、というよりは、自分だったらどうしただろうか、などと考えはじめてしまい、そういう意味では刺激をもらう結果となった。
実はすっかり顔なじみのCotton Podのメンバーに終演後お話した感想のほとんどは、Cotton Podの演奏からというよりはこちらのユニットの演奏がそもそもの着想、だったような気が、今となってはしなくもない。


今年になって2回目の拝聴となるCotton Podの演奏は、このスタイルがすっかり安定したな、という印象だった。
前回の演奏からのブランクも感じさせず、これなら「更なる上達が期待できる」と思ったら、なんだか酔っ払った勢いもあって、また随分と偉そうな物言いになってしまった。悪い癖だ、申し訳ない(^^;
写真を撮っていて気づいたのだがゆたかさん、なんだか俳優の松重豊さんに似てきたなぁ。個人的には「孤独のグルメ」よりも、CMの「それ、早くいってよぉ」の方が好きです俺(笑)。
真面目な話も少しすると、今夜のセットリストなら曲ごとのカラーの違いがもう少し出せたら、さらに流れのいいライブになったのではないかと思った。
練習では1曲ごとの仕上がりには神経を払うが、ライブ演奏全体を俯瞰して見た場合の各曲の効果とか役回り、とでもいうのだろうか。お客さんを退屈にさせないために、リズムやテンポ、曲調が違う曲を組み合わせているはずなのだ。
だからといって、全通しの練習を多めにすることを心がけよう、という提唱ではない。
それら1曲1曲が、もっと効果的に、客席の空気の色を変えるための工夫をもった演奏内容になるように、「なぜこの曲順にしたのか」といったあたりを、メンバー全員で共有認識する必要があると思ったのだ。
その上でお客さんと同じ「景色」を眺めるように、一緒に音楽の旅ができれば。そんな物語が描けるようなライブの終りを迎えられたら、きっと誰もの記憶に残る素敵なライブ演奏なんだと思う。
お客さんにとっては、ライブ演奏丸々がそのバンドの「1本の音楽」であって、そのバンド演奏の印象そのものとして残るのだから、侮れない。
これも、各曲の仕上がりにバラツキがなくなった今の彼らの演奏に接することができた今だからこそ、湧いて出てきた感想だと思うし、もちろん翻って俺たち自身の課題でもある。

俺自身、いつまで歌えるかわからん年齢になって、この先いったい何が残せるんだろう、との思いを抱くようになったのも、ここ数年。つい、いわなくてもいいようなことまで話すようになってしまった。実際は、まずは自身の演奏をもっとなんとかしなければ、なはずで、全くこういうはた迷惑なトシのとり方は、したくないものだ。
演奏が始まった時間が早かったので、ウチアゲも早21時にはお開き。
店の外に出ると、土砂降りの雨、なんだが(><)
なんだか我がことのように嬉しくて、来てよかったと思うライブだった。