結婚式披露宴での演奏(WINS阿佐ヶ谷)

行きがかり上、今日は俺がMCを務めさせていただかなければならない流れ。
日ごろやりなれないこと故、すでにいっぱい一杯なハイ・テンションモード。
曲のカウント出し、事前にナカチョが申し出てくれて助かった。

特別なご配慮をいただき、配膳等準備中の会場現地でリハーサルをさせていただいた。
びっくりするほど大きな会場で、これだけでも事前に目にしておいてよかった。いきなり扉が開いて案内された先がこの広大な会場だったら、度を越した緊張を強いられること間違いなしだっただろう。

音量バランスとスピーカーからの鳴りはおくちゃんにも確認してもらいつつ、日ごろは何かと立ち位置すら動かない我々ではあるが、せっかくワイヤレス・マイクなので、ノリのいい2曲目では全員、ステージを降りる(踊る?!)演出をこの場で決めた。
実際にやってみると、スピーカーからの音が(ステージ上よりも)心持ち遅れて聞こえるせいで、テンポが遅くなることが判明。この演奏環境ではテンポキープが一番の課題となることを情報共有して、さっそく修正。
後にプランナーさんと打ち合わせたところ、なんと緞帳が閉まった状態からスタートすることが判明した(ビックリ!…これも初)。
これらのキュー出しは、ぶっつけ本番。

このリハーサルの後、俺とおくちゃんは敷地内のチャペルで行われる式に参列、他のメンバーは控え室で出待ち。
そういや事前練習のことで頭が一杯で、今日これからの段取りまでは確認してなかったな。
館内でおくちゃんとともに、一時的に迷子状態に。


こんなとき、自身の世間常識のなさを嫌というほど思い知らされるのであるよ。
それでも自分が得意な「演奏」という作業を通じて協力できることがあるのなら、まだまだ世の中も俺も、捨てたもんじゃないな、とも思う。
世代的な婚姻ブームで同級生が次々と身を固めていった頃、俺自身は(ステロイド剤による)リバウンドでほぼ寝たきり状態だった。そんなわけで歌唱歴の長さの割には、こういうお目出度い席での演奏経験はビックリするほど少なく、さすがに今後はこちらがいくら歌で祝ってあげたくてもこういう「嬉しいお手伝い」など、経験することももうないだろうと思っていたわけだが。
そのうち「アイツはどんなに近しいヤツが頼み込んでも、決して華やかな席には顔を出さないへそ曲がりだ、いや人間嫌いに違いない」といった噂が、知人の間に流れたものかどうか、お誘いそのものもなくなったものだった。
まぁ俺は今後も結婚する気は毛頭ないので、ご祝儀額の「不良債権化」は最低限で済んだわけで、何が幸いするかわからんもんだが*1
ともかくもそれだけに、ようやくこうしておふたりが迎えた「ハレの日」は、新郎新婦の嬉しさはもちろん、俺としても手放しで嬉しいものだ。
無事に結婚式に合流し、厳粛な雰囲気の中で神父様のお話に耳を傾け、賛美歌を歌った。

新郎・新婦が退場するとき撒かれる花びらに混じって、ミッキーの形が。ディズニー好きだという新婦のウイットが感じられて、なんだかほのぼの気分。

続いて案内された、先ほどまでリハーサルをしていた披露宴会場では、新郎の高校時代の「悪友」な方々(^^;と同じテーブルに案内された。
酒が入るほどに歯に衣着せぬ発言になっていく様子が、見ているだけでこちらとしても楽しく…いわゆる式場内で一番、ガラの悪い席、というヤツだ(笑)。
みなさん地元でお仕事をされているようで、新郎としても今後再び、長いお付き合いになるはず。

というわけで、本日の演目。

  1. 結婚行進曲
  2. Happy
  3. アイ
  4. Your Eyes


このうち、「アイ」については個人的な思い入れが。
新郎からのリクエストを受けて、さてあと一曲、バンドで披露させていただけるということだったので、何にしようかメンバーでもずっと協議していた。ブライダルといえば「青春の影」が既にレパートリィにあり、もちろん名曲なのだが、俺だけでなく他のメンバーも、どうやら決め手に欠けると思っていたようで、なにより新婦世代の方々は恐らく元歌をご存知あるまい。俺自身も以前所属していた混声バンドでは「定番」として(別アレンジで)歌い継いできたが、実はその後の「追跡調査」によると、なんとその離婚率が7割5分(!)と、縁起でもない結果。
ようやく9月下旬にもなって、俺がいつものスーパーで買い物をしていたら、よくあるインストバージョンで不意に耳に入ってきたのがこの曲で、どことなく懐かしさを覚えるとともに歌詞をくちずさんでいた。
秦基博さんの曲は、別のものが新郎からのリクエストで上がってきてはいたが、既に自身が知っている曲の中にあって、まさに虚を突かれた感じ。
俺の記憶の中の、共に過ごした学生時代の新郎のイメージとぴったり重なり、個人的に一気にボルテージが上がってしまった。
これだ!
アカペラ本舗に混声バージョンが既にあったことも俺の背中を押してくれて、散々迷った末メンバーにメールで提案させてもらい、男声4部バージョンへのリアレンジの依頼という形で、今日の演奏披露に至った。
ところが肝心の本番では、冒頭俺が手元マイクのスイッチを入れ忘れたまま歌い出してしまい、すぐに気づいたものの、こうして千葉へ帰ってきてからも水曜日までは録音を聞く勇気もなく…。恐る恐る聞いてみたところ、ステージ上では永遠に続いたかと思われたその冒頭部分は、前奏を除くと1小節ほど音が切れただけで済んだようだ。前奏も不自然さはなく、3人しか鳴っていないにも関わらずハーモニーが薄くなっていないのは、アレンジの妙。さすがだ。
何よりお客様たちが静かに聞き入ってくださり、どうやら冒頭のミスは取り戻せたようだった。
シメは新郎のリクエストにお答えして、山下達郎さんのYour Eyesアカペラ・バージョン。目論見どおり賑々しく6人での合同演奏でお送りした。

*1:性格、相当捻じ曲がっちゃったな〜俺。素直にこんな演奏機会が嬉しい、とだけいえばいいものを。