失礼ながら。

早くも大型連休を見据えて、「連休中のご祝儀GDPには加担しない」と決意を固めた生活を始めている*1
最低限生命の維持に必要な食費以外、一切の出費を抑えることにした。
皇位御継承への祝意は、他の方法で。
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とはいうもののこの時期、満開のつつじが俺を呼ぶ誘惑( ^ ^)r゛゛
写真はららぽーと Vivitへの沿道で、その美しさに去年も感嘆したのは覚えているが、もう1年経ったのか。というかこの時期だったのね、つつじ。
そういえば桜と違って、県内に限っても「つつじの名所」って思い浮かばないなぁ。今年は間に合わなくても、来年以降のために要チェックだ。
今日はなんでも「平成最後のPay Day」(給料日)なんだそうで。俺もご他聞に漏れず。
今月もなんとか無事に、生き延びたらしい。

給料日の密かな楽しみといえば、俺にとっては毎月一度お世話になっている定食屋での外食。
ひとり黙々と食べる食事がうまいわけもなく、実はバンド練習後以外での外食は、仕事が残業で遅くなったときくらいしかしなくなった。
商店街の中ほどにあって、失礼ながら「質より量」の、かつては学生街によく見かけた感じの、店構えは中華料理屋だが小さな街の飲食店にありがちな、何でもありなメニュー。その中で俺のお気に入りは焼肉定食。最初の頃はいろいろと試していたが、ある日偶然、隣席の学生が食べていたのを目にして以来ずーっと、俺はこれ一点買い。
昔は相当な美人だったに違いない(これまた失礼)おかみさんも、カウンター奥にいて笑顔がすてきなマスターも好ましい店内の雰囲気はなんだか気取りなく落ち着く。おかみさんとは、恐らくは買出しなんかの際に街でも時々すれ違うことがあり、そんなときはいつも笑顔で会釈してくださる。

何年か前の正月、実家で両親と、「鬼平外伝」のタイトルに釣られてテレビ時代劇を見ていた。
時代劇で「鬼平」シリーズといえば池波正太郎原作で、中村吉右衛門扮する火付盗賊改方長官・長谷川平蔵(鬼の平蔵)を主人公とする捕物帳だが、「外伝」には実は鬼平は登場しない(話の進行上、存在はにおわせるが)。
そうとは知らずに母と、いつ鬼平が出てくるんだろうねぇ、などといいながら見ていた「正月4日の客」。
本編の主人公を演じる松平健さんは、大盗賊の頭役という役回り。物語は、江戸のある橋のたもとにある蕎麦屋が毎年正月4日にだけ作る、信州流「さなだ蕎麦」。決して万人好みとはいえないその味を懐かしんで年に1度、店に顔を出すようになったのがこの大盗賊の頭。彼が率いる盗賊一味は「犯さず、殺さず」の義賊なのだが、手下がただ一度、その禁を破って殺めてしまった被害者の遺族が、柄本明さん演じるこの蕎麦屋の店主。だがお互い素性を知らないままその謎の多い人柄に惹かれあっていき、やがて全てが明らかになっていくにつれて…結末は、本編をご覧ください。
松平健さんといえばテレビでは「暴れん坊将軍」のイメージが強すぎるが、テレビのような尺に入れ込む必要のない、間を贅沢に使ったセリフ回しのお芝居に、ぐいぐい引き込まれてしまった。
ちゃんと脚本や演出にカネをかければ、こういう芝居もできる人なんだな、と失礼ながら芸の幅広さを改めて目の当たりにして感激してしまった。
一方俺は大盗賊の頭などではもちろんないが、月に1度、給料日に件の定食屋に立ち寄る際、これ以来気分はすっかり「正月4日の客」気取りだ。
いつも同じメニューを頼み、時によって俺からはひとことも発することなく、ゆったりと食事を楽しんで帰ってくるだけ。老夫妻も、話しかけてくるような無粋なことはしない。
ただ、いつも変わらぬ味で迎えてくれるのが、「海の男」時代からこうして通うようになった俺には何よりありがたい幸せ、最高の贅沢気分な外食なのだった。
また一ヶ月、頑張ろう。

鬼平外伝 正月四日の客 [DVD]

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*1:っていったって、俺にとっては単なる日常。