土曜日。

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したってこの状況(コロナ騒動)。
10時くらいまで布団の中で粘ってみたものの、隣室のリニューアル工事の爆音に叩き起こされた。


とはいえ不要不急の外出を控える以外、特にやるこたぁない。
洗濯機を回し、布団を干してから朝食。
外出できないことが恨めしいほどの、晴天(最高気温21度を記録)。

外出自粛、遅れ目立つ日本 グーグル位置情報使って比較
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200404-00000018-asahi-sctch

東京では感染者数118人と3桁に到達、うち7割弱(81人)が感染ルート不明のケースだったそうだ。
取引先との密談から、風俗通いだ不倫だと、全ての個人行動を包み隠さず申告できる人たちばかりでもないだろうしなぁ。
今出ている感染者の数は2週間前、あの3月3連休の「結果」といったところだろう。
俺が注目しているのは次の週末、11日あたりに出る速報値で、「小池都知事が初めて危機感を表明し外出禁止を要請した週末」の結果が(2週遅れて)出てくるはずだ。
このときの感染者数が頭打ち、またはその傾向が読み取れるようなら、「外出禁止は現段階で、ある程度の効果がある」ということで、この先少し希望が見えてくるし、そうでなければ個人的にもより強力な「次の手」が必要。恐らく為政者たちもそう考えていることだろう。
一方、関連ニュースにつけられていたコメントによると、一足早く事態が落ち着いたように見える北海道には、東京から観光客が押し寄せているらしい。
地域が違えば同じ観光業でも、非正規雇用者全員の一斉解雇に踏み切ったところも。
最前線の医療現場では、院内感染の報告も不気味な増加をみせている。
午前中は例によって低血圧と二日酔いで、ネットでそんなニュースをチェックしたくらい。ぼーっと過ごす。

ここ毎日、10時と14時半、市役所から防災無線で外出自粛の(定時)放送がある。
忘れて過ごしているようでいて、不意に現実に引き戻される。

昼食は自炊にしようと思ったが、食器が全て流しの中だ…洗おうと思って水道栓を捻ったら。
ん?
マグカップのコーヒーは流し終わっているはずなのに、なぜか茶色が濃くなっていく水…。
あ、今日断水だった! すっかり忘れてた。
急遽スーパーのイートインに出かけて、お気に入りのカレーパンとする。
着座の間隔を開けるため、先日から座席が間引かれてしまった。

いいわけがましいが、一日に一度はこれくらいでも外気を吸わないと、心が腐る。

国がマスクを配布するなどと勝手に決めちゃったお陰で、マスクの着用が「拡散防止に効果あり」とのお墨付きになってしまい、こんなちょっとした外出でもマスクをしていないとすっかり非国民扱いだ。
花粉がきつく、くしゃみをしてはうっかり咳込む度に、他の歩行者からの視線が刺さる。

外出できなければ、部屋を今より少しでも居心地よくすればよいわけで。
そういえば以前、「カフェのような部屋」とかいったタイトルのインテリア本を見かけたことがあったなー、などと。
しかし自室はフローリングだとはいえ、西洋のように靴をはいたまま生活したいと思ったことはなく、むしろ部屋では裸足でいることが多い俺は、大きいラグマット上で場所を決めずに横になれる自由も捨てがたいし、やっぱりこたつは手放せない…カフェ妄想、あっという間に停止。
日本人なんだよなぁ。
ついでに週末の食料調達も済ませ、忘れずに缶ビールもまとめ買い。

ともかく今日のスローガン(?)が決まったら自分に勢いがついたので、まずは掃除機掛け。
安物のサイクロン式掃除機は、吸引口に手を当ててみたら全く吸い込んでおらず、数か月前の購入から初めてだったが、まずは分解してフィルター掃除からになってしまった。
まだまだ余裕あるはずのダストカップを開けただけで埃が舞い上がるのが見えてしまい、これは今夜、風呂に入らなきゃだなー。
なんだかんだでもう4月だし、と一旦こたつを片付けてみた。こたつ布団の裾が広がらない分部屋が広くなった感じは悪くなかったんだが、この冬こたつに甘やかされ続けた俺の素足はすぐに冷えてしまい、夕方慌てて「復旧」。
そういえば日差しのある外は暖かいのに、鉄筋の部屋は冷え込むというのは、春にはよくあることだった。

ざっくりと掃除を終えると、かねてパーカッショニストな隣室の学生が在室しているのを見計らって、これみよがしにスネアのチューニングを始めてみる。
概ね20分ほどでの(ヘッド皮の)均等張りは、手際も「打率」も大きく上がった、気がする(表の方が少し、キーが高めになっちゃったかも)。
これで明日、天気予報が外れて晴れたら、近所の公園に持ち出してあげられるんだが…おっと、これは不要不急!
いつ緊急事態宣言が発令されるかわからない状況で、万が一発令されてもそれと知らずに近所の公園でスネア叩いてました、はさすがに不謹慎だろう。
別に濃厚接触してるわけじゃ、ないんだけどな(あー、ストレスたまるっ!)。

ともあれひと仕事終えた達成感とともに、先月末に退職された方からいただいたチョコを開けて、インスタントコーヒーばかり飲んでいたが間が持たなくなり、早15時からFMを聴きながら缶ビールを開ける。
会社で余っていた枝豆(!)をもらって帰ったのだが、買ってあったポテチ、焼き鳥缶、なぜか昨日買い足してるチーカマと、なんだか食材ストックが酒肴だらけになってしまった。
そのままいつの間にか酔いが回って座椅子で寝オチしていた、いつもの夕方。
次に目が覚めたら、すでに外は真っ暗に。

夕食は「魔法のカリーポット」を使ったカレーにしたが、「三連休」にしたので久しぶりにちゃんと鍋でつくればよかったと、ちょっと後悔。
あの危機管理が欠落していると思っていた県知事があそこまでいうので、実は月曜の「有給」を申請済だ。
今の給与水準で「仕事への責任」と詰め寄られても全く響かないし、自身の命を削ってまでのやりがいも感じていない。
むしろ俺以外の誰にでも務まるし、組織管理的にもそうでなければならないと思う。
正直、他部署のスタッフとの諍いまでが同じことの繰り返しのような毎日には、すっかりバカバカしくなってしまっている。
もちろんこの緊急時に、医療や運輸・流通、日用品販売ほどの公益性・必要性のある職種、でもない。
過去、台風直撃時の後手後手な対応や、この期に及んでテレワークはさすがに無理*1としても時差通勤やフレックス導入すら検討している気配もないなど、ここまでの経営陣への個人的な不信感も手伝ってこの会社では、
「自分の身は自分で守らねばならない。」
差し当たって「2週遅れの速報結果」が出るまでの約半月は、有給を使って1週間のうちの出勤日を1日減らすことで、通勤途上での自身の感染リスク(と拡散リスク)を減らす自衛行動をとることにした。
かくして「職務放棄な部下」のできあがり。
しかし凡そ個人にできることといったらこの程度まで。
感染の状況が「次の段階」に入った場合の自身の身の振り方は思い浮かばない。

土曜の夜だというのに部屋の窓から眺める商店街は、自粛要請を受けて飲み屋が一斉に営業時間を短縮したせいか、かなり早い時間帯から人通りが絶えており、20時過ぎには深夜のようにただただ暗く静かになっていた。
いつもなら周辺から聞こえてくる通行人の会話や酔っ払いの大声さえも、全く聞こえてこない。
俺の知る限り、正月休み中でもここまで静かだったことはこれまで経験がない。

「目に見えないもの」との闘いが、それを自覚し続けることが、これほどまでに困難なものだとは俺自身も実はこの週末まで実感がなかった。
これは俺の身の回り100mで実際に目の当たりにできることでも、関東圏だけの話でもなく、まさに今*2、地球全体を巻き込んで起こっていることなのだ。
見えないことへの「実感」を持ち続けるのは決して容易なことではないが、事態終息のその日まで忘れてはいけないと思う。

*1:パソコン使ってる業務が極端に少なく、当然PCスキルがある人も少ない

*2:某国首相のおかげでこの表現すらすっかり陳腐で、全く伝わらないことばに堕してしまったんだが