書類と、マスクと、10万円。

昨日は結局、あっさり欠勤を決めこんでしまった。
この程度の腰痛で動けないことはないのだが、以前無理して出勤してこじらせた経験もある。

加えて毎度他部署のお陰で止まっている仕事が2件ほど。腹立たしくて常に頭から離れず、もうこちらから文句をいうのすら面倒くさくて仕方ない。
俺がいったくらいでは全然変わろうとしないので、先方から督促があってから初めて慌てるがいいさ、という気分。
密かに今年度はもう、この方法で貫こうかと思っている。
「腹立たしくて頭から離れない」、こうなっている時点で俺としては、神経的にかなりまいっているんだと最近思うことにしている。

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は~だっかの~ おぉさまがぁ~♪


欠勤を決めたときに限って、朝は6時前には一度目が覚めてしまう。
意地になって二度寝をしたが、それでも7時半には勝手に頭が仕事モードになってしまい、諦めた。
お陰で可燃ゴミ収集の時間には余裕で間に合っちゃったので、部屋が一気にきれいになった気分。
時短で始業が遅くなってはいるが、いつも一番早く*1出勤している上長がいる始業前のタイミングをはかって、会社に電話を入れる。
10回鳴らしたが、誰も出ない…もしかして先週どこかで見た上長からの休暇届、今日だったか?

仕方ないので、上司の携帯に直電。事情を話したら、
「いいです、俺でいいです(欠勤の電話連絡)」
とふたつ返事。
こんな状況だから無理してまで出勤してこなくていい、という心遣いが言外に感じ取れた。

しかし案の定、欠勤明けの俺の机上は書類の山だ。
上司が(奴らなんでもかんでも阿仁さんに投げてくる、と)呆れるほどで、すっかりファイリングまでが仕事になってしまっている。
もうどこから手をつけたら、などと悠長に「トリアージ*2している余裕もない。
何よりうっかり電話を取ってもメモを書くスペースすら確保できないので、午前中一杯は目についた順に片っ端から、無我夢中でやっつける羽目になった。

同じく昨日配布されたという週間予定表には、欄外に社長からのコメントが、「手洗い、うがい励行」といった意味合いで2行ばかり。
この緊急事態宣言下でも出勤してきている社員を鼓舞するようなおことばのひとつも、出ないもんですかねぇ。
ないものねだりなのはわかってますけど。
昨日は(火曜日だったのに)ついに出勤なさらなかったんだそうで(まぁ十分にご高齢ですけど)。
年相応に豊富な人脈をフル動員して手指消毒用のアルコールを調達してくる、とか、政府に先んじて洗い回しが効く布マスクでも配給してみる、とか…なーんもしてないんだよな具体的対応策。
思わず上司相手にそんな愚痴も出てしまう。

帰りの電車内では明らかに俺の周りだけ広い空間があいており、かなり車内が混雑してくるまで隣の席が空いていたりする。
不思議に思っていたら、マスクをつけるのを忘れていたことに気づいた。
やっぱり今どきマスクくらいは着用していないと「非国民」、ということになったらしい。
そういえば今日、上司から、お知り合いのシャンソン歌手の方お手製だという布マスクをいただいていた。
耳紐がゴムではないので調整が必要だが、いざというとき(着用していないと周囲の目が冷たいとき)、洗い替えとして使えそうだ。しばらく持参することにしようと思う。


誰が今、どれくらいの仕事を抱えているか。
管理職がちゃんと把握してくれていると思うからこそ、現場は疲れ知らずで安心して働けるわけで。
機械的に「担当に振る」だけだったら今どき、AIの方がよほどいい仕事をしそうだ。前の会社の管理職は「二階層」揃って、このタイプだったが。


政府は夜になって、補正予算では「所得条件付き、30万円」とされていた給付内容から一転、所得に関係なく一律10万円給付の方針を固めたらしい。
朝令暮改への責任追及」と相変わらずこの期に及んでかき回すことしか考えていない野党は論外として、詳細な給付条件を審議しなくて済む分、支給が1分1秒でも早くなるのなら人道的な意味もあるかもしれない。
が、今のところはまだまだ「給付は最速で5月中」という「スピード感」…逆にこれで5月の連休明けに「緊急事態宣言」の解除はなくなったな、と思ったのは俺だけではあるまい。
ようやくここまで漕ぎつけてきて更にまた給付内容が変わってしまったら、もう国民全員がズッこけるしかない。

今の日本社会全体で
どこに緊急・優先的な「手当て」が必要で、
生活を維持していくにあたってどの分野が疲弊しているのか、
この、国という「巨大な会社」の管理職たちがちゃんと把握してくれていれば…今のところまだまだ悠長にしか見えない政治議論の行く末には、絶望感しかない。

毎日ニュースで報じられる様々な市民生活上の危機感からすると俺は、必ずしも一律である必要はないと思っている。
こういうとき何かと引き合いに出される例だが、年金暮らしの高齢者たちにまで一律給付、などとやっていて、本当に必要としている人たちに迅速に届くのだろうか。納税を通じて国を支えている勤労世代を、経済活動そのものを、その命を、守っていくことができるのだろうか。
まずは医療体制への「実質的」支援。不足している医療物資の直接供給から、不眠不休な医療体制の「長期戦」に向けた再編、それから同様に直接命を扱う職域である介護現場へも具体的な支援を。民間事業者へは休業補償、非正規雇用労働者への生活費援助…喫緊の優先課題、全ての環境が揃ってから、などと悠長なことをやっていないで直接人命に関わる部分から明日にでも「見切り発車」で対応する、ということができないのは、市民生活への想像力が足らないといわざるを得ない。

っていうかアンタら、もしかして自宅のゴミですら自分で分別して出したことないだろー。
千葉県の遅々として進まない休業補償対応にしびれを切らした市川市野田市では、早々に市独自の休業補償給付を決めたという。
そういう風にでも物事を動かそうとする強い思いに対してまで、納得することなく反対できる人たちはそう多くはないと思うんだが。
直接ウイルスを駆除する知恵も術も持たない政治家・役人にできることといったら、こんなことだけだろう。
俺たちはカネが欲しいわけじゃない。生活を維持したいだけなのだ。

で、かつての何某手当の時のように、「役所に取りに来い」なんてーことになったら。
窓口はパニックになり、大規模クラスターが全国に発生・拡散…。
さすがに日本の政治家もそこまでバカばかりではない、と思いたいが。
本当にそうなったらもう、ブラック・コメディでしかない…。

*1:俺を除くと。

*2:医療現場の方々には、軽々しくこういうことばを使って申し訳ないが