盆休明け、火曜日

俺の早朝出勤は別の理由から始まったもので、もう4年ほどは続いているだろうか。
しかしこのところ早朝の同じ電車に乗る人たちは、明らかに俺のお盆休みまえよりも増えてきている。
これもコロナ感染への危機感の現れだろう。
だいたいこの国の会社の多くは、遅刻には厳しい癖に退勤時間には無頓着だ。残業は「志願制」(要は当日になってから仕事が終わらなくても、残業代は払われない)というアコギな会社まである。俺の以前務めていた会社も、「当日申告は不受理」だった。
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まだ誰もいないはずの事務所には早朝から蛍光灯が灯っており(いつから?!)、盆休み中にも出勤しやがったバカがいた痕跡をしっかり残してやがる。
まずは社のホームページから、「夏季休業のお知らせ」記事を削除。
俺の机上には、盆休み中なはずの日付での申し送りメモがあり、全社休にしたんだからやむを得ず出勤してても電話なんか取るなよ、と八つ当たり。
こちとら通常の交代休シフトと違って約1週間の休みが明けても、他の職員も休みだったから俺の机上が書類の山、ということはないだろうから、今日は盆休前にやり残した比較的急ぎではなかった仕事を一気に片付けてしまえたら、との(淡い)期待で出勤してきたんだが、すでにあっさりと裏切られて、こういう「常識」は全く通用しない。

休みに入る前に録り終えていたナレーション録音は、午後になって修正箇所なしとの報告をいただいたので、今日の録音予定は回避。
昼前には上長から内線で、今日午後の担当者会議の中止についても、連絡があった。
社長と同僚のメールのやり取りからうっすらと気づいてはいたが、それとこれとは別。
ちゃんと全ての出席予定者に直接連絡すべきだろーに、やっぱりお知らせが来るのは会議予定の2時間前だ。仕事全てがいつもこんな感じ、ゾンザイ。

昼休み。
コンビニ横の路地で別の同僚と、いつも通り口角泡を飛ばす勢いで立ち話をしているミニラを見かけた。どうやら死ねなかったようで(残念…)。
午後に予定されていた担当者会議、その担当業務の方は、本来なら俺を含めてウチの課の人間が手を出す作業内容などでは決してないのだが、隣接部署から修正依頼の形で戻ってきた。
7月の前回会議では確か期限が「25日」となっていたはずで、こちらもとりわけ盆休明けで通常業務が溜まっている今日、「今日中に返せ」といわれても無理だと言ってるのに、「お伝えはしましたから」と言い返されてもな…こちらもこのことだけははっきり伝えておくが、モチベーションはダダ下がりだ。
相変わらず自分のことしか考えないヤツ。
これだから腹から声が出せないオトコ、俺は嫌いなのだ。

まだ着任1年目で、週3日勤務なこともあってさしたる仕事も任されてない癖に「在宅」申請して上司と衝突しちゃってるコツ骨サマに聞かれると厄介なので、姿が見えないのを見計らって、俺から上司に話を切り出した昼休み…とはいえコツ骨サマ、上司の出勤日には避けるように旧社屋を我が物顔に使って入り浸っているので、そんなに難しくなかったんだが。
在宅を1日増やす申告をして、あっさりと快諾していただいた。
これもひとえに、ここまで大きな仕事遅れもヌケも出してない、日頃からの信頼関係というものだろう。自分でいうのも何だが。
コロナの主流がδ株に置き換わってから、明らかに感染フェーズが変わったと感じているので、少なくとも俺自身が2度のワクチン接種を終えるまではこの体制で出勤したい旨を申し添えておく。
さすがに東京五輪の期間のように週一日出勤まで業務圧縮しようとすると、俺自身が仕事が回らないことを認識したし、パラリンピックは早々に無観客を決定していたので、俺としてもギリギリの妥協案だ。
できる範囲で「五割減」に近づける努力。といっても現状はプライベートで人と逢うことはまずないので(減らすと「マイナス」計上になってしまう)、職場界隈で減らそうとするしかない。

今の上司との関係がこのように良好なのが一番大きいが、俺自身がHSPではないかとの仮説で数年前から自分の行動の見直しを行ったところ、いわゆる「病欠」をもう何年もしていない。
新型コロナ肺炎の件にしても、単に神経質だったり臆病に振舞うということではなく、報道内容を判断材料として自分のHSPな部分が発してくる「(危険)信号」は信ずるに値すると思うようになっている。
その上で、「敵」は進化したとの認識だ。
思いつくことはすぐに実行、変えられるところは変えていく。従来通りの対応をしていたのでは早晩、俺も感染するだろう。
その時になって、ああしていれば、こうしておけば、という後悔だけはしたくない。

今日発表のの新規感染者数、東京都4377人(火曜日最多)、千葉県1304人。
市立船橋高校で、2度目の部活クラスターが発生との報道。大会や発表の場を求めて一生懸命頑張ってきた生徒たちのことを思うと、なんともやりきれない気持ちになる。乗り換え駅構内のコンビニでは前回のスタッフ感染判明による休業から1ヵ月と空けずにまた、スタッフから新たな陽性者が出たとの掲示があって、シャッターを下ろしていた。
この期に及んでまだ、電車内でウレタンマスクをして会話を楽しむ女子大生を見かけたりするから、必要な情報がちゃんと行きわたっている気がしない。マスコミもセンセーショナルに報じるが、肝心の「(医療的)理由」部分がすっ飛ばされている記事も多い。
自分たちの生命維持に関わる情報ですら、自ら取りに行けない人が…いや、もう言うまい。

緊急事態宣言は専門家会議の諮問を受けて、今夜正式に発令された。今月末までを期限にすでに対象になっている都府県については9月12日までに延長され、新たに20日から7府県を対象に加えることになった。
21時から、総理の記者会見。
毎度これほどまでに聞いている人の耳に残らない会見する人も、歴代総理の中では稀有なのではないだろうか。原稿棒読みにはしないよう、気を配ってはいるようなのだが。
もう誰も聞いてなんかいないし、もはや緊急事態宣言しか切れるカードがない政府の姿勢は哀れにすら思える。
ワクチン接種率の増加だけが頼みだ。