9.11。

ネット通販での買い物は、こちらの不慮な都合によって再配達になるのは申し訳ないので、やむを得ない場合を除いて自室配達ではなくコンビニ受け取りにしているが、サイトによってはそれもできずに郵便局留めになる場合がある。
しかし郵便局、たった1個の荷物を引き取るだけなのに、カウンター業務に時間かけすぎっ!
もっとコンビニみたいにサクッとできないかなぁ。あっという間に、俺の後ろに長蛇の列で、俺の方がなんだか申し訳ない気分になってしまう。
数カ月前の引き取りのときは、先輩職員がついて2人がかりで手続きしていた、割と見目涼やかな妙齢の女性係員。しかし頭の中は、ちょっと(段取りが)残念な感じなのかも。
それとも特定郵便局での代引き荷物の引き取りって、段取り憶えなくてもいいほど発生頻度が低い事案なのか。
今やろうとしている段取りが、「支払い」なのか「本人確認」なのか意識しないまま混ぜちゃうから、こういうことになる。
俺は客だから、このカウンターでは自分が注文した荷物を手にできるようになるまでは、アンタの指示に従うしかないんだよ。

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こちらは30周年。


こちらが「支払う」といって引き取りに来ているものを、何でわざわざ本人確認が必要なのかがそもそもわからない。
コンビニ受け取りでは本人確認書類の提示なんて要求されないし。
受け取りに自署でサインしてるのに、本人確認書類のコピーまで取られるのもわからん。
かように役人気質が色濃く残ったままなので、ロッピーやファミポートといった物流オンライン化の流れからも、すっかり取り残されたということなんだろうけれど。
以前、登録しておいたはずの到着メール通知が来ないので理由を調べていたら、通知されない「例外事項」の方が多くて…これじゃメール通知、来るわけないが、と思ったのでさすがに今回は登録しなかった。進んで個人情報差し出すほど暇じゃないのよ。

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児童公園を経由、いつもの通りを中古車売り場の前を通って部屋に戻る。
俺の年収相当の値札がつけられた軽自動車のドアが開いてて、中でスタッフが何やら作業をしている。
駅下を通る地下道を逆方向から、制服姿の中高生の群れ。この人数の多さは多分、部活動ではなく時差登校のグループだろう。
「部活と勉強の両立」とか、懐かしいことばが不意に脳裏に浮かぶ。
全国コンクール常連校だった中学の合唱部では顧問の先生が、エリート教育の一環だったのか、「ウチの部員は全員、部活との両立ができているはず」などと言っては部員たちを鼓舞していたが、俺はこの点では間違いなく落ちこぼれだった。努力以前に二つのことを並行してできない、一点集中タイプなのだ。
オトナになっても、何かとの両立なんて出来たためしがない。
今の俺は、そんな「呪縛の解けた日々」をただただ、死んだように生きている。
こういうときに人は、いとも簡単に宗教だったり脱法行為だったりに嵌まるんだよ多分。
今の俺も、そういう誘惑があったらきっと、ちょろいんだろう。

部屋に戻って電子ピアノを弾いていたら、遠くから市の防災無線。今日もまた、徘徊・行方不明者のお知らせだ。
今の俺のようなひとり暮らしだと、そもそも行方不明になったところで誰も気づかないんじゃなかろうか。
本人が捜索を依頼しない限り…その本人が(恐らくは自覚のないまま)行方不明なわけで。
あまりシャレにならんな。

というわけで今年は土曜日、「グラウンド・ゼロ」から今日で20年。
あの後に始まった国境を超えたごたごたと、アメリカ政治の「偽善」。
そしてベトナムからは何も学べてなかったことがはっきりした、アフガン撤退。
一番の被害者は結局、(自)国民。
アメリカという国は寄せ集まってなんとか巨体を維持しているもんだから、「得体の知れない恐怖」に対してはいきなり銃をぶっ放してしまうほどの臆病者なのだ、ということは、マイケル・ムーア監督が「ボウリング・フォー・コロンバイン」という映画であぶり出してしまったが。
人種差別にしても、ポピュリズムにしても、どうもいちいち反応がヒステリックに思える。
そして我々も、好むと好まざるとに関わらず、そんな東西冷戦の尻尾の中。確かに「歴史」と繋がっている。

15時、久しぶりに整体院へ。
商店街入ってすぐのところにある焼き鳥居酒屋は、いよいよ店じまいを決意したようだ。
グラスやらトレイやらの調度品が「ご自由にお持ちください」の貼り紙とともに店の前に陳列されていた。
もう何度もいろんな街で見てきた、切ない光景。
コロナ禍とは無関係に、もう長い事外食をしなくなっていた俺は、そういえばこの店にも入ったことすらなかったが、外から眺める手狭な店内はいつも、幅広い年齢層のお客さんで賑わっていた。
今、薄暗い店内では何人かが撤収作業に汗を流している。
やっぱり、緊急事態宣言の延長がトドメになってしまったのだろうか。
なんでみんな、こんなときに笑顔になれるんだろう。メンタル強い。
買い物を済ませ、すっかり暗くなってから気に掛かったので同じ商店街を戻ってみると、店の隣の駐車場でスタッフが数人、慰労会を始めたところのようだ。
なぜだか無性に、厚木の友人の顔を見たくなる。何の連絡もせずにまた、不意に顔を出したくなっている。