天気予報が、いいほうへハズレた週末。

昼前まで十分寝て起きたら、とにかく部屋に篭っているのももったいないぐらいの天気なので、近くの街まで出てみよう。
自転車で走る畑の道は、もう夏草のにおい。若草色だった木も、いつの間にかぎっしりと緑色の葉。目の前の露地から、携帯電話を片手にスーツ姿の男性が、やはり自転車で横切っていく。僕は、イヤホーンをしながらこいでいるのだかわからないようなオジサンの自転車の後ろを、別に追い越すでもなく、汗をかかない程度のスピードで走っている。心地よい風を痛んだ肌に感じながら。気付かれていないのなら、しばらくこうして走っていようかと思う。
大通りに出ると、駅へ向かうバスが緩やかな坂を登って、同じように平らな通りへと乗り上げるところ。グラリ、と車体が揺れて、夏の陽が一瞬、跳ね返ってきた。
駅の近くの自転車置き場に、お気に入りの自転車を置いたらまず、本屋にでも行ってみようか。いつもFMラジオがかかっているその本屋では、もしかするとお気に入りの唄がかかるかも知れないな。クーラーの風に汗が乾いたら、森のある公園のベンチで、衝動買いした雑誌でも読もうか。いつも焼きたてを売っているパン屋では、チーズとハンバーガーの挟まったコッペでも買ってさ。

・・・夏だなぁ、ほんと。こんなこと書いていると、また何もかも放り出して、静岡あたりにでも行きたくなってきたゾ。