今週の、災難

新調したズボンの尻ポケットが、ほんのちょっと、浅かったんだよなぁ。
仕事を終えた帰途、バスを降りた途端にPHSがあるべきとこに入っていないのに気づいた。
前にも鍵を落としたことがあったので、気持ちを落ち着けてから、バス停にあった営業所の電話番号をメモする。コンビニの公衆電話から、それでもあわてて電話した。「たった今、バスを降りたところなんですけど・・・。」
最初、折り返し場まで取りにこられますか、という希望的な対応だったのが、どうも約束どおり一時間後に確認の電話をしたときには、「出てませんねぇ」という悲観的な回答になっており、さらに次の電話では「明日またご連絡ください」に格下げになってしまった。

取り乱す、というより何が起こったか把握しきれていない、というその夜。実は思いのほか落ち着いていたりする。バイブ機能を目覚ましに使っていたことに寝る前に気付き、不便だな、と思った程度で。

出勤前に営業所を急襲することにする。だって通勤途上にあるんだもの。
折しも全職員の朝礼中で、受付の女性が対応してくれたが、あったあったあった、心の中で38人の俺が、そう叫んだ。間違いようのない、ごっつくて大きな、俺のPHS。自局番号を調べるのももどかしい、いまどきこんなの使っているのは俺だけだ。ごめんよぉ、ここ数日、他社のカタログなんか集めてて。まだまだ本当に修理がきかなくなるまで、使ってやるからな。まずは携帯専用のホルダを新調してあげよう。二度と落とさないように。
でも旧式でよかったよ。メールは受信できないし、住所録もはいっていないし、もちろん写真や待ちうけ画面すらないんだから。最新型だったら、青くなるくらいじゃ済まなかっただろうな、きっと。