今回の会場、高崎シティギャラリー・コアホールは、上野・文化会館小ホールをちょっと小ぶりに使いまわしがしやすい大きさにしたような雰囲気。音響はもちろん、半円形の客席配置とも相俟って、講演に芝居に、音楽以外の使い勝手もとてもよさそう。

ちゃんと控え室が確保されていたり、出演バンドのステージへのスムースな誘導など、細かいところで主催者の気遣いが感じられる。意外と(お互いが)当たり前と思っていることを、ひとつひとつちゃんとこなすことが、実は一番大変なことだったりするのは、イベントを手がけたことがある人なら想像に難くないだろう。歌う側の立場を考えてくださっているというか、演奏に必要ないことにはできるだけ気遣いが必要ないように、というか。さらにはこれほど大規模なイベントの割に、ちゃんと主催者側の顔も見えている、ということが好ましく、こんな手作りの催事がもう5年も続いているという。あれもこれも、と欲張った気負いが感じられないのも、長続きしている秘訣なのかもしれない。後のウチアゲといい、俺の内にある、かつてアカペラ公園を構成していた「好ましい部分」と共通のものが感じられた。

出演バンドの関係者やすでに出演を終えたバンドのほか、客席には地域の音楽好きと思しき年配の方々なんかもかなり見えて、これも今後、イベントとしての方向性を考える際に興味深い。

自らが出演するので、さすがに出演バンドはごく一部しか聞けなかったが、さすがに出演バンドの演奏レベルは、総じて安定している気がした。一方で我がペンギンのようなバンドからすると、ボイパがいる編成のバンドが多いかな、という気もしなくはない。混声・男声・女声に関わらず、ボイパが入るだけで、どうも同じように見えてしまう。演奏内容もどうしたってリズム系、ノリノリな曲になってしまうし・・・っつーかその中で逆に、俺ら、浮いてないのか? 
ただ、わずかに聴けた数バンドだけでも、バラード系の、しっとりした曲も聞いてみたいなぁ、と思わせてくれるグループもあったのも事実。