午後

こっからは、事実関係がどうであろうと、どんなにそれが冷静な分析に見えようとも、極めて個人的で、感情に任せたこじつけな文章になっていることを、先にお断りしておきます。

そんな話を伺ったばかりで役場に対して不信感増幅された中、役場の担当者から電話。いつもと変わらないヒト当たりのよい口調にも、なんだか事務的な冷たさというか意思を感じ取ろうとしてしまう。
告げられた内容は、昼休みにもぐりこんでは弾いていた例の会議室の、グランドピアノ搬出について。
今後区役所の玄関ロビーで企画されているコンサートに、再利用するのだという・・・さすが、優雅な職場でいらっしゃる。電話口では冗談交じりに「俺も(出演者として)呼んでくださいよぉ」とはいったものの、本当に声を掛けられたら多分ばっさり、断る。
タイミングを計ったように、何故か10日遅れて今日届いた区報によると、「文化芸術都市を目指します」と2段抜きの大文字が一面に踊っている。その「文化芸術振興条例」(と書くと、どこの行政区だかバレバレ)の定めるところ、基本理念のひとつには「すべての区民が同じように文化芸術を鑑賞、参加、創造することができるように環境を整備」なさるんだそうで。ま、どうせクラシック音楽しか認めない、みたいに、全てお役人が決めるんでしょ。アカペラなんか彼らから見れば恐らく、「退廃芸術」でしょうから。それより「すべての区民が同じように」できちゃったら、プロはいらないよな(そういう意味か?)・・・何より、
どうせまた、3年くらいで飽きちゃうんじゃないの?
担当者が区内各所の「廃屋」を回り、死蔵されているピアノの程度を選定中とか。夕方立ち寄った担当者には、かなり程度よく映ったらしく、一発内定のムード。っつーか審査基準はほぼ、外観だけだったみたいだけど。小学生の時ちょっと習ってた、とかいう若い女性担当官は、つっかえつっかえ子犬のワルツだとかエリーゼだとか弾いてみて、「調律が狂ってるでしょ」と俺が指摘しても、わからないようだった。
ま、程度の良さは、俺の折り紙つきだ。
一日に一回は風通ししてるし、時間があれば俺がちゃんと、鍵盤まで叩いてた・・・こんな恵まれた職場は、もう二度とないだろうなぁ俺にとって。
どうやら俺より早く、ここを出て行くんだね。
今日は残念ながら、その後の「逢瀬」を楽しむ(弾ける)余裕もなく、何かに取り憑かれたように発送作業に終始。
最後の日には、多才な入居団体のメンバーみんなで、ここでコンサート、なんてハナシもあったっけ。
ピアノにとっちゃぁ、出世に違いない。それこそ公的財産であるものを、俺個人が所有しているような状況は、どう考えてもおかしいし・・・俺の中にも「おらが村」意識。矛盾しているな、我ながら。
でもどこかにこっそり、名前とか彫っちゃおうかな(^^;