東海道線

13:09発の下り「湘南電車」に乗る。
みかんをイメージさせるオレンジとグリーンのツートンカラーの電車。ここ東海道線が、発祥の地だ。国鉄時代、好評だったこのツートンカラーの電車は全国に広がり、関東では宇都宮線高崎線などでも使われたが、気付くとかたやの始点である東京口では、全てステンレスの新車に置き換えられてしまい、既に見られないという。JR東海の管轄内では、まだまだ懐かしい「湘南電車」が行き交う光景が見られる。

戦後、電車がまだ「機械」扱いで茶色一色が当たり前だった中、この鮮やかな色をまとった電車は、利用者にとってどれほどセンセーショナルなことだったのだろう・・・想像は尽きない。テツなヒトにとっては国鉄がJRになったからといって、簡単にやめて欲しくない、「伝統の色」のひとつなのだった。
あ、みかんで思い出したけど、冷凍みかんの唄は、もうさすがに耳にしなかったですから。うっかり9月のMCネタに使わないように。
そのJR東海では、積極的に女性職員を採用しているらしい。前回静岡へ来た数年前にも既に、ホーム上で引継ぎをしている車掌が全員女性という光景が普通にみられた。この電車も、車掌さんは女性。
ここで時刻表を眺め、初めて静岡県をナメていた自分に気付かされる。
沼津だ清水だといったって、たいした距離ではなかろうと高を括っていたのだが、鉄路上で43kmもあり、この電車の清水着はなんと、13:52。沼津の「グルメ通り」あたりで途中下車して、なんか腹に入れとくんだった。清水には寿司ミュージアムなるものがあると小耳に挟んでいたので、こちらも今日の楽しみではあるのだが、それまでもつのか、俺。
新宿を出るときに非常食として仕入れておいたTOPPOをかじかじ、電車内。過去、3度行った大学卒業旅行(!)のうち長崎に行った際、大阪で駅弁を仕込み損なって、もちろん車内販売もなく、長崎まで一切食べ物なし、という大飢餓寝台特急の経験から、ともかくカバンの中には「何か」入れとけ、というのが遠出の際の習性になっているのだった。
田子の浦富士川、由比と、東海道五十三次の絵に出てくる有名地が並ぶ。この経路上でのクライマックスは、由比・興津の海岸線だが、今は残念ながら、東名高速の方が海側を走っており、アスファルトと高架の隙間からチラチラ、海が見える程度になってしまっている。チラリズム・・・。