斎場

に安置されたばあちゃんは、静岡の祖父のときと違い、死化粧もうまくいったのか、本当に今にも動き出しそうで、ただ寝ているだけのように見えた。
以前、骨折を治療した足は、曲がったままだったが。

埼玉の祖父のときと同じ、無宗教葬。
坊さんの読経がないので、司会進行役は間がもたず、大変そうだった。
先ほどまで、母が「取材」を受けており、その際に聞き取ったものを元に、祖母の生い立ちを読み上げてくださっている。
祖父の葬儀のときの話もあり、当時父が請われて作ったレクイエムのカセット・テープを、叔母が大事にとっておいてくれ、この場でも流してくれた。
俺としてもまた、忘れられない曲になった。
お棺の上には、通夜の際には紅白の梅の花、告別式では桃の花も添えられていた。
そうか、桃の節句なんだな。