2013-03-03から1日間の記事一覧

出棺。

オトコ孫連中で、霊柩車へ棺を運んだ。 火葬場では、釜の重々しい鉄扉が閉まる段になって、不意に涙があふれて止まらなくなってしまった。 ここへきて俺にも、孫の心の断片が残っていたらしい。 肉親の死までが遠く感じて、「慣れる」ことが大人だというのじ…

通夜の晩

我が一家は、父が急遽予約を取ったホテルに泊まった。 ツインの部屋は、誰が見てもシングルルームの壁をぶち抜いた構造で、バス・トイレが2つついているのは掃除夫泣かせだろうけれど、特に朝の仕度にはとても便利なものだった。 先ほどまでの斎場での酔い…

どんな101年だったのだろう。

こうして話を聞いているだけでは、どうも響いてこない。 祖母に直接聞いてみたかった、と思っても後の祭り。 今更ながら、聞きたいことはたくさんあるのに、「主役」は何も語ってはくれない。 明治44年7月25日、東京の下町、向島生まれ。 学校の先生になりた…

斎場

に安置されたばあちゃんは、静岡の祖父のときと違い、死化粧もうまくいったのか、本当に今にも動き出しそうで、ただ寝ているだけのように見えた。 以前、骨折を治療した足は、曲がったままだったが。