WINS阿佐ヶ谷練習

白状すると。
さすがにこれだけ長いこと歌い続けてくると、達成課題としての練習そのものが、苦しかったり辛かったりするようなことは、もちろんない。それでも練習に出かける際には「なんで俺は、こんなにシンドいことをまだ続けてるんだろう」と思う日もある。
こんな時、腰の重くなってしまっている自分を、だましだまし出かけるまでが、実はひと苦労。
もちろん「その場」に行けば、人一倍楽しいことになるのはわかっているし、帰りはいつも足取り軽いんだが。


▲ちゃんとミ・ファとシ・ドの間が半音になってるあたり…。

今の俺は、サントラ聴きながら、映画の場面を思い浮かべて一分一秒でも長くぼーっとしていたいわけで。
さすがにいい加減、飽きろよ、と自分でも思うのだが、依存症よろしく手放せず。
逆に他の音楽は、自身が歌うアカペラの曲ですら全く受け付けない状態、もう数週間…だが、さすがにそうもいってらんない状況、新曲ラッシュのシーズン到来。気持ちばかりが焦る。
あくまでの俺の心的問題であって、別にアカペラが嫌いだとか曲が好みでないとかいうわけではない。

なんかいろいろと、鬱積しちゃってるらしい。

仕事帰りの電車内は、毎日この状態で爆睡だ。
なんなんだこの無気力ぶりは?

少し前までは、いっそひとりででもできることも、この際何か身につけておきたいな、などと思ったこともあったが、結局「仲間が待ってくれているから」というある種の義務感が働かないと、俺のような元来怠惰で横着な人間は、実は物事を長く続けられないのだろう。自分の好きなことをやっているはずなのに。
改めて、そういう仲間に恵まれているなぁ、と思う。

そうして、今日もなんとかたどり着いた練習スタジオ。
年度内後半を見据えて、レパートリィ総入れ替え! というくらいの勢いで、新曲ラッシュ…というか今日はひたすら「初見譜読み大会」だ。
さしずめ、新曲の「生き死に」(優先順位)を決める場。
難易度だけでなく、多少今の自分たちにとっては難しくても、これは今までのレパートリィでは他に変わる曲がないから仕上げておこう、という曲もある。

しかし何回経験してもこの、楽譜が自分たちの声で「音になる」瞬間は、ゾクゾクする。
もちろん事前に音源データを送ってもらっているんだが、音取り用の音源はもれなく「楽器音」なわけで、やっぱり歌詞がついて、耳慣れたメンバーの声で「和音」が鳴る一瞬一瞬は、アカペラの醍醐味だ。
練習を見学させてくれ、という方が同席していたこともあるが、この段階での練習は傍から見ていても全く面白くないだろうな。参加してナンボのもん。
逆に眺めていても面白くて一番参考になるのは、その曲が完成に近づいて、「色づけ」していく段取りだろう。
というわけで今日も無事、人一倍練習を楽しんじゃった後は、おいしいビールにありついたのだった。